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研究成果等の刊行

No.40(2010.12)

「高等教育のファンディング・システム」

講演者:丸山 文裕、島 一則、浦田 広朗

はじめに

私学高等教育研究所主幹 瀧澤 博三

 大学は社会の安定と発展のために不可欠な社会的インフラであり、その教育研究活動のために必要な財源が安定的に確保される必要があることには誰しも異論はないでしょう。しかし、その財源を誰がどのように負担すべきか、またどのような原理に基づいて配分されるべきかとなると議論はさまざまです。国民の見方も大学の変化や社会・経済の変化によって大きく変わってきます。今世紀に入ってからはグローバルに進行しつつある「市場化」の流れがわが国の高等教育にも大きな影響を与えており、その財政や諸制度の在り方には「競争と評価」が基本的な原理として浸透しつつありますが、一方最近では、格差社会化の不安から教育の「安心」を求める声も高くなってきているのが現状です。
 こうした揺れ動きの中で、大学が国民の理解を得て必要な財源を確保して行くためには、大学財政のあるべき姿について常に確たる理論を備えていなければなりません。私学高等教育研究所では、かねて「ファンディング・システム」のプロジェクト・チームを設けて研究を続けておりますが、2009年3月にはその成果を纏めて、研究叢書『高等教育のファンディング・システム』を発刊いたしました。第42回の公開研究会では、その一部を3人の執筆に当った先生方から発表させて頂きました。この冊子は、この公開研究会を記録したものですので、研究叢書と併せて一層のご理解に役立てて頂ければ幸いです。

  1. 丸山 文裕 氏 (国立大学財務・経営センター教授)
    【講演】「日本の高等教育への公財政支出」(PDF形式)
  2. 島  一則  氏 (広島大学高等教育研究開発センター准教授)
    【講演】「進学の経済的効果と学費負担」(PDF形式)
  3. 浦田 広朗 氏 (名城大学大学院大学・学校づくり研究科教授)
    【講演】「私立大学財務の安定性」(PDF形式)
  4. 田中 敬文  氏 (東京学芸大学准教授)
    【講演】「財政支援の充実を求める 大学進学希望の実現を」(HTML形式)

*** 「関連資料」部分等は割愛しました。 ***