加盟大学専用サイト

特集・連載

大学は往く 新しい学園像を求めて

<224>梅光学院大学
新校舎で学生の描く未来実現
希望者全員が海外留学 地域、世界で活躍の若者育成

 希望者全員参加型の海外留学制度や教員採用試験現役合格プログラムなど独自の学びを展開。梅光学院大学(樋口紀子学長、山口県下関市)は、1872年にキリスト教宣教師が長崎で開いた私塾が淵源だ。その後、山口の女学校と合併して1914年に下関に下関梅光女学院を設立、1967年には、梅光女学院大学として発足。2001年、現校名に改称して男女共学になり、現在、文学部と子ども学部の2学部2学科。プログラム「梅光コモンズ」は、キリスト教精神を土台に卒業後に求められる社会人として必要な基礎力を身につける科目の総称。開学50年を記念した新校舎「The Learning Station CROSSLIGHT」で学生が思い描く未来の実現をめざす。「全教職員が入学から卒業まで、協働で学生のキャンパスライフをサポートします。本学の教育の特色を最大限に活用し、地域そして世界で活躍する若者を育てたい」と語る学長に学院の歩み、改革、これからを聞いた。
(文中敬称略)

スクールモットー  光の子として歩みなさい

 スクールモットーは、「Ut filii lucis ambulate 光の子として歩みなさい」(エフェソの信徒への手紙5章8節)。学長の樋口が、新校舎「The Learning Station CROSSLIGHT」を説明した。
 梅光学院大学は、日本で6番目に創設された伝統あるミッションスクール。「1872年、長崎の地で開いた聖書と英語の私塾が嚆矢です」
 塾は梅香崎女学校と名付けられ、1914年に山口の光城女学院と合併、頭文字1字ずつをとった下関梅光女学院が誕生。「戦災での校舎の消失など多くの苦難を乗り越え、1964年の短大開設以後、大学、大学院を設置、今日に至りました」
 2001年以降の学院の歩み。2001年、梅光学院大学と改称し、男女共学となる。03年、それまでの梅ヶ峠キャンパスから東駅キャンパスへ大学・大学院の移転が完了。
 05年、子ども学部子ども未来学科を新設。現代コミュニケーション学部を国際言語文化学部(英米語学科、東アジア言語文化学科)に改称。07年、子ども学部に小学校教員課程を新設。
 09年、文学部英米文学科と国際言語文化学部の英米語学科を改組・再編し、国際言語文化学部に英語英文学科を開設。15年、文学部と国際言語文化学部を改組し、文学部人文学科を開設。
 現在、2学部に1331人の学生が学ぶ。男女比は、男子35%、女子65%で女子が多い。出身は県内が40%、県外が60%(2019年度入学者の出身高等学校所在地ベース)。
 「梅光コモンズ」を解説した。2学科に共通する学びで、社会人として必要な「人間力」を身につけるためのプログラム。コモンとは「共通」という意。
 「5種類の授業があります。聖書の学びを通じて、人として『生きる』ことを考え(キリスト教倫理)、新たな自分を発見し、仲間との相互理解を深め(梅光BASIS)、さまざまな体験をします(梅光プロジェクト・ボランティア実習)。最終学年では、これらの学びを振り返って統合し(梅光コモン)、社会人としての『基礎』を築き、自ら考えて行動できる『人間力』を身につけていきます」
 独自のボランティア実習は、単位化している。「月に一度、サマリアデーで、宗教委員会が募金活動を行い、献金はアジアの教育に役立てています。海外でも活動、フィリピンではスラム街でボランティア実習を行っています」
 2学部の学び。文学部人文学科は、伝統である外国語教育と日本文学の学びを中心に5つの専攻(日本語・日本文化、地域文化、英語コミュニケーション、国際ビジネスコミュニケーション、東アジア言語文化)がある。
 「専攻の学びはもちろん、他の専攻の学びも柔軟に取り入れることができる仕組みです。2年次には全員が語学留学に参加。3年次には、さらに半年から1年間の国際教養・専門留学を経験し、ビジネス即戦力レベルの語学力を習得します」
 子ども学部子ども未来学科は、4年間の継続的な現場体験による独自のカリキュラムや徹底した教員採用試験対策などを通して、子どもの"今"と"未来"に応えられる教育者を育成する。
 「2020年からの外国語の教科化に伴い、英語力を養う取り組みを積極的に進めています。通常のカリキュラムにおいてはもちろんですが、語学留学制度やネイティヴスピーカー教員との授業・交流を通じて本当の英語力を磨きます」
 『留学率NO<CODE NUM=0348>1』のプログラムは3段階。学部・学科・専攻を問わず希望者全員が参加できる1st stepの「語学・文化研修」をはじめ、英語コミュニケーション専攻、東アジア言語文化専攻の2専攻では2nd stepの「語学留学」を必修化。
 「さらに、培った語学力を生かして、海外で専門分野を学ぶ3rd stepの「国際教養・専門留学」にも選抜制で挑戦することができます。留学は単位認定されるため、複数の国や地域を経験して4年間で卒業することが可能です」
 留学経験者の多い大学
 この留学制度は、高く評価されている。英国の高等教育機関専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)』の「THE世界大学ランキング日本版」で、2017年度は短期留学経験者の割合が高い大学全国第1位、2018年度は短期・中長期あわせた留学経験者の割合が高い大学 全国第8位を獲得。
 就職率は、12年連続90%以上。「エアライン業界やメガバンク含めた銀行各行、大手証券会社や生保各社、マスコミ関係、グローバル企業、IT関連、運輸、旅行・観光、公務員など多種多彩です。公立中学校・小学校の教員採用試験に数多く合格しています」
 教員採用試験現役合格対策プログラム「教員の星」は教員採用試験現役合格がねらい。「大学の正規カリキュラムが保証する専門教育と、受験予備校での合格に向けた受験対策の両立が可能。受験対策のプロ講師がきめ細かく受験地域に合わせた対策を行います」
 ANAエアラインスクールとの教育連携は、九州・中四国エリアでは初。「キャビンアテンダントやグランドスタッフなどを目指す学生対象の学内講座。ANA空港実務体験もあり、就職実績も上がっています」

 地域貢献活動も活発

 地域貢献活動は、全国大学"地域貢献度ランキング"文学・外国語系で7年連続1位に評価された。活動を研究面からリードするのが、地域文化研究所。研究対象となるフィールドは、関門地域を中心に、広く東アジア地域にまたがる。
 「中国・九州地方の名所旧跡等を地域の人々と学生・教職員が共に訪ねる「アカデミックキャラバン」を年1回開催。研究例会を年3回、研究大会を年1回開催し、外部の研究者を招いた研究発表も行っています」
 大学のこれからについては、3つのキーワードをあげた。新校舎と質の高い授業と留学。名称の「CROSSLIGHT」は外光を多く取り込み、学生と教職員がこれまで以上に交流する新校舎の特長に加え、キリスト教のシンボルである十字架と学院のスクールモットー「光の子として歩みなさい」から命名された。
 「これまでにない新しい学習空間です。都市・地方を問わずグローバル化が進展する現代社会では、自ら考え、新しい価値を生み出していく力が求められています。CROSSLIGHTではこうした力が育まれる体験・経験を重視した学びが展開され、学生の持つ可能性が大きく広がります」
 3階建てのお洒落な建物。1階は、固定席がないオフィスで教職員全員が働き、学生と交流の場。レストランは、地域住民も利用できる。2階は、ガラス張りの教室が4つある教育の要所。3階は、アクティブラーニングのためのオープンスペース。階段も廊下も教室。
「新校舎というハードが完成、学生の『考える力』や『新しい価値を生みだす力』を育む環境が整いました。次は教職協働により時代に合った授業、ソフト面の充実です。それに、伝統でもある留学する学生を増やす、この3つで新時代の教育に挑戦したい」

 学び、生き方を変える

 こう結んだ。「グローバル化の進展やテクノロジーの急速な発展という新時代、学びを変え、働き方を変えなければ生き残ることはできません」。樋口の目は、新しい次の時代を見据えていた。