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大学は往く 新しい学園像を求めて

<217>東都医療大学
ヒューマンケア実践の人材育成
看護師や管理栄養士等養成 4月から「東都大学」に改名

 医療・栄養の第一線で活躍する実践力を身につけ、国家資格取得を目指す。東都医療大学(中條俊夫学長、埼玉県深谷市)は、2009年に看護師、保健師、助産師を養成するヒューマンケア学部(看護学科)の1学部1学科で開学したフレッシュな大学。18年には、千葉・幕張新都心に幕張キャンパス(千葉市美浜区)を設置、幕張ヒューマンケア学部(看護学科)と、深谷キャンパスに管理栄養学部(管理栄養学科)を開設した。19年には、幕張ヒューマンケア学部に理学療法学科を新設し、大学名を「東都大学」に変更する。看護学・栄養学の基礎的な知識・技術・態度を修得し、思いやりの心を持って個人のニーズに応えられる看護師、管理栄養士を育成。「人の命や人間の尊厳に対する畏敬の念と高い倫理観に裏打ちされた看護ケアをヒューマンケアと捉え、ヒューマンケアを実践できる医療人を育成していきたい」と語る学長に大学の歩み、改革、これからなどを聞いた。
(文中敬称略)

深谷と幕張にキャンパス

 2つのキャンパスがある。深谷キャンパスの1号館は、新国立競技場を手がける隈研吾の設計。モダンな建物外観と調和するよう色彩的に配慮された設計で、学生はもとより近隣住民にも緑に親しめる空間となっている。
 幕張キャンパスは幕張新都心の文教地区にある。眼前には緑豊かで海辺にも接する広大な県立幕張海浜公園が広がり、幕張メッセなども整備されている。2つのキャンパスとも、充実したキャンパスライフが送れる。
 東都医療大学は、2009年、ヒューマンケア学部看護学科の単科でスタート。「埼玉県北部には医療系大学がなく、深谷市の誘致に応じる形で、看護師・保健師・助産師の養成を目的に開学しました」
 学校法人名の青淵学園は、深谷市が、近代日本経済の父といわれる渋沢栄一の生誕地であることに由来。「渋沢翁が、教育に対して抱いていた熱い思いを尊重した大学にしたいため、翁の号である『青淵』を、渋沢家の了解を得て付しました」
 同学園の大坪修理事長は、「仁(人の道)を学び、忠恕(まごころとおもいやり)で病める人に接してほしい」と常々、話しているという。
 ヒューマンケア学部にしたのは?「大坪理事長の言う忠恕の精神がヒューマンケア力です。健康医療関係の専門職業人としてのみならず、人間性を豊かにする人材を育てることを目指し、近い将来、全人格的なケアを目指す学部構成にすることを考慮しました」
 2018年、千葉市美浜区に幕張ヒューマンケア学部看護学科を開設。「首都圏で持続する人口増加、特に後期高齢者の増加は、深刻な医療人材不足を招いています。看護職の不足に悩む地域の声に応え開学しました」
 同年、深谷キャンパスに管理栄養学部管理栄養学科を開設。「相談者の身体状況、栄養状況に応じて、オーダーメイドの栄養管理・食支援を実践できる『臨床に強い』管理栄養士を育成します」
 2019年、幕張ヒューマンケア学部理学療法学科を開設、大学名を「東都大学」に変更する。校名変更は、「将来、社会にとっての必要性を検討し、医療・福祉に関連する人材育成を計画する可能性があるためだという。
 現在、深谷と幕張キャンパスの3学部3学科に567人の学生が学ぶ。男女別では、男子1、女子9と女子が圧倒的に多い。出身地は、深谷キャンパスが埼玉、群馬、栃木県で6割以上、幕張キャンパスは千葉県と東京都で8割を占める。
 学長の中條が大学を語る。「本学は、生命を尊重し、人間の尊厳と基本的権利を理解するとともに、学問的基礎の上に専門的な実践能力をもち、地域の保健・医療・福祉の担い手としてリーダーシップを発揮し、学問の発展にも貢献できる医療人を育成することを教育理念としています」
 各学部学科の学び。ヒューマンケア学部看護学科は、基礎科目群から看護専門科目群まで、実習を取り入れながら段階的に学ぶ。カリキュラムを3つの段階に分けて展開し、ヒューマンケアを土台とし、看護の専門性を積み上げることで質の高いヒューマンケア実践家としての知識・技術・態度の育成を目指す。
 『臨地実習』で看護の実践力を身に付ける。「1年次から実習がスタート。近隣の病院に加え、本学関連医療機関との充実した実習が可能。本格的な授業が始まる前から実習授業を行い、医療人としての意識を高めます。卒業時には、看護師、保健師(保健師課程履修者)、助産師(助産師課程履修者)の国家試験の受験資格が得られます」
 平成29年度国家試験実績は、看護師の合格率は95・1%、保健師は88・9%、助産師は80・0%。

 万全の国家試験対策

 国家試験対策は、1年生には、理科系の知識を補充するサポート、2・3年生には6月の模擬試験のほか、基礎医学の補充講義や学外講師による対策講座(3年生3月)、4年生には模擬試験に加えて学内学外併せて10講座を開講する。
 看護師プラスαの能力を期待している。「地域の人たちの健康管理、病気の予防など健やかな暮らしのために役立ちたいという思い、出産に立ち会い、人の誕生に関わる全てのことについて管理・指導したいという学生は、保健師のみならず助産師の道も開けています」
 管理栄養学科は、臨床に強い管理栄養士を育成。食品と調理という「モノ」の知識だけでなく、利用する人の立場に立って食事サービスや栄養支援を提案できる、「人」を対象にしたスキルを育てている。
 健康の維持・増進には生活習慣、とりわけ食生活の影響が大きい。「本学では食と栄養に関する知識と技術を習得し、それらを生かし、発展させて、食と栄養の面から人々の健康を支え、世の中に貢献できる人材の育成を目指しています」
 また、看護師など他の職種をめざす学生と同じキャンパスで学ぶため、将来それらの職業の人々と現場で協働するイメージを養う。「1年次から、さまざまな現場で活躍する先輩方に話を聞ける授業や、病院での管理栄養士の役割を学ぶ実習をカリキュラムに取り入れ、将来像を描けるようサポートします」
 地域との連携にも力を入れる。生涯学習講座や講演会、交流イベントなど、地域住民向けのプログラムがある。「学生は、ボランティア等として参加することで、普段の学習を実践するとともに、地域の方との交流を深め、将来の活躍の場を広げる機会になっています」
 手厚い学生支援。面倒見の良い教育をめざしている。「大学の授業についての理解、友達との人間関係、心身の健康管理など、学生生活を送るうえでは様々な悩みが生じます。本学では新入生サポートプログラム、チューター制、オフィスアワー、学生カウンセリングなど、学生を支援する体制を整えています」 

 充実した奨学金制度

 独自の奨学金制度がある。「学校法人青淵学園奨学金」は、一定の条件を満たした場合、全額返済免除となる。「さらに入試時の成績優秀者育英制度や在学中の特待生制度を活用すると学費の負担は国公立大学と同等になり大幅な負担減が実現できます」 
 大学のこれから。「大学の開学理念にあるように、人々に幸せな人生を送っていただくために、医療、福祉に従事する優れた人材をこれからも育てていきたい。国際化の時代にそなえ、国際交流、そして将来看護学のリーダーになる人のための卒業教育も視野に入れて準備をはじめています。大学院の開設も進めていきたい。地域に開かれ、地域から支えられる大学であり続けたい」
 新生・東都大学は、医療・福祉系の総合大学を目指す。