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研究成果等の刊行

No.45(2012.01)

「IRの基本原理と活用-国際比較と日本型IR」

講演者:山田 礼子、小林 雅之、池田 輝政

はじめに

私学高等教育研究所主幹 瀧澤 博三

 今日、大学教育の質の保証を求める動きが急速に進展する中で、国公立、私立を問わず教育成果の提示が重要な論点となっています。評価を受ける大学としては、教育成果を測定する上で、教育に関するデータを集積し、分析し、そしてそれらの結果をどのように改善に繋げていくかということが大きな課題になっています。また、 国立大学では、2004年の法人化以降、部局ごとに散在している財政、学生、教学などのデータをどのように集積し、管理するかということが課題として取り上げられてきました。とりわけ、中期目標の達成状況の評価を受ける上で、データの一元化は重要な戦略の1つとして位置づけられています。
 こうした課題に深く関わっているのが、IR(Institutional Research)です。大学内の様々な情報を収集して、数値化・可視化し、評価指標として管理し、その分析結果を教育・研究、学生支援、経営等に活用することが、IRの具体的な活動内容として定着していく可能性は高いでしょう。IRの活用を一層充実させ、各大学の内部質保証システムとして機能させることも期待されています。
 第48回の公開研究会では、ようやく各大学の関心も高まり、さまざまな取り組みが進みつつあるIRについて、その基本原理を考えるとともに、米国等諸外国における活用状況との比較の日本型IRの在り方について、3人の講師の先生からご講演を頂きました。今日、大学の情報開示の観点からも質保証の充実のためにも、大変示唆に富んだ内容のお話でした。この冊子は当日の記録を整理したものですが、多くの関係の方々に参考に供して頂ければ幸いです。最もホットな課題の1つであるIRについて、理解を深める機会にしていただければと念願しています。

  1. 山田 礼子 氏 (同志社大学社会学部教授)
    【講演】「IRの基本原理と米国での活用、日本での応用」(PDF形式)
  2. 小林 雅之 氏 (東京大学大学総合教育研究センター教授)
    【講演】「IRの国際比較:米国・日本」(PDF形式)
  3. 池田 輝政 氏 (名城大学大学院大学・学校づくり研究科教授)
    【講演】「日本型IRの実践:記憶にとどまるデータづくり」(PDF形式)
  4. 高橋 宏 氏 (東京国際大学学長補佐・言語コミュニケーション学部教授)
    【コメント】「IRの発展・深化と定着に向けて-第48回公開研究会から」(HTML形式)

*** 「関連資料」部分等は割愛しました。 ***