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平成21年4月 第2354号(4月1日)

ヤル気でる評価とは
  大学評価学会が全国大会

 大学評価学会は、去る3月14日、15日、名古屋大学において、第6回全国大会(テーマ:認証評価の効果を問う―現実を直視しヤル気がでる評価を目指して)を開催、165名の関係者が参加した。
 2004年から始まった認証評価制度が五年目に入り、改めて「評価とは何のため・誰のために行うのか」が問われている。また、評価の取り組み、そのシステムおよび「評価環境」の現実を直視し、その解決策を探っていく中で、このたびは、「ヤル気がでる評価とは何か」を共に考える大会となった。
 シンポジウムでは、田中一昭大学基準協会・専務理事が「認証評価の現状と課題」、伊藤敏弘日本高等教育評価機構・評価事業部長が「大学の改革・改善に資する認証評価を目指して」、日永龍彦山梨大学・大学教育研究開発センター教授が「高等教育政策を評価できる認証評価を目指して」と題して、それぞれ報告した。認証評価の目的が教育・研究等の改善にあるにもかかわらず、現実には、認証評価そのものが目的となっていることの問題点、また政策評価の視点の重要性が指摘された。
 評価の取り組みに全ての大学構成員が自律的に参加すること、評価が教育・研究等の改善に繋がる実感がもてるようになること、効果的な項目の設定とシステムの構築が必要であるなどの論点が出された。また、これらの取り組みの支援が認証評価機関の本来の役割であることが確認された。コメンテーターの大阪大学の中村征樹氏は、現在抱えている問題点として、行政、大学、大学人、アカデミック・コミュニティに「事態を変えていく政策と社会へのコミットメントの欠如」を指摘し、その上で、質保証・改善に繋がる取り組みの中身、これまでの自己点検・評価の取り組みの歴史の再評価、人事・予算への反映が本当に「ヤル気」につながるのか、高等教育政策への反映という論点が提示された。
 翌日は四つの分科会が行われた。分科会ソでは、「大学評価のなかの職員、大学づくりのなかの職員」をテーマに議論された。特に人事制度改革・評価制度は各大学で行われ、改めて職員の役割の重要性が確認された。
 最後に「総括討論」の全体集会をもって終了した。
 次回、第7回全国大会は2010年3月東京国際大学(早稲田サテライト)で開催される。

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