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平成20年11月 第2339号(11月19日)

医学部定員過去最大8486人に 地域医療貢献へ私大26校

 文部科学省は、平成二十一年度の大学医学部の定員を今年度より約七〇〇人増員し、これまでで最も多い八四八六人とすることを発表した。
 これまでの定員は昭和五十六年〜五十九年度の八二八〇人が最多だったが、平成十五年〜十九年度の七六二五人まで段階的に減員されてきた。しかし、今年度は医師不足問題から政府の「緊急医師確保対策」によって七七九三人まで増員したが、来年度は、さらに、「骨太の方針二〇〇八」により、定員を過去最大程度まで増員することが決まった。
 文科省では、今年八月に医師確保のための実効ある取組(地域医療貢献策)を講じることを前提に定員増の通知を発出したところ、七三大学(国立三九大学、私立二六大学、公立八大学)が増員計画を提出した。「平成二十一年度医学部入学定員増に係る計画評価委員会」(座長=荒川正昭新潟県健康づくり・スポーツ医科学センター長)での審査の結果、国立一九九人、私立二五六人、公立四九人が定員増となり、緊急医師確保対策による計一八九人を合わせて、合計六九三人が今年度より増えることになった。
 地域医療貢献策としては▽全ての医学部生が地域医療に関して学び、実際に地域医療機関で体験・実習する、▽医師不足問題の喫緊性に鑑み、多くの大学が臨床研修から大学院、生涯教育を含めた即戦力の養成を重視する、▽診療科の医師不足に対応し、多くの大学が学部段階から産科・小児科等の教育内容を強化する、▽全ての大学が定員増に関連して、医師が確実に地域に定着し、地域医療に貢献する取組を計画する(@入学者選抜における地域枠・地域定着枠等の設定を通して、地域医療を担う強い意欲のある学生の入学を推進する、A卒業一定期間の地域医療の従事等を前提とする都道府県等や大学の奨学金やその他の経済的支援を通して医師の地域定着を推進する、B地域医療機関への医師派遣・紹介の拡充を通して地域医療への貢献を推進する)などが挙げられている。
 なお、私立大学では、埼玉医科大学、杏林大学、帝京大学、日本医科大学、北里大学、金沢医科大学等の二六大学が一〇〜一五人の入学定員増となる。

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