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平成22年2月 第2392号(2月24日)

我々が今なすべきこと
 日本学術会議幹事会が声明

 日本学術会議は、このたび、「日本の未来世代のために我々が今なすべきこと」と題した幹事会の声明を発表した。昨年九月に発足した新政権の下、マニフェストの実現、政治主導、官僚依存からの脱却、事業仕分けなど、新しい試みの最初の成果として、昨年末に平成22年度予算の政府案が国民に示された。このたびの声明は、同予算案の公表を受けて作成された。概要は次の通り。

 〈日本の未来世代のために我々が今なすべきこと〉(概要)
 このたびの事業仕分けについては、日本学術会議は会長談話を発出し、予算編成に当たって人文・社会科学を含む基礎研究から開発研究に至るまでの学術研究を重視するべきこと、大学等高等教育に対して的確で長期的な支援をするべきことを述べた。
 新政権による予算編成を見ると、高等教育・学術・科学技術などに関して、長期的に今後それらをいかに推進するのかというバックボーンが改めて問われていることを痛感した。すなわち、意欲ある人材の養成と能力開発、人類の知的基盤形成を目指す基礎科学研究環境の整備、豊かな社会形成のために必要なイノベーションに繋げる研究開発環境の整備などに向けた基本的考え方とそれに基づく具体的方策を、長期的視点で国民に示す必要がある。
 この点に関して、総合科学技術会議では第四期科学技術基本計画の原案を作成し始めており、日本学術会議では「日本の展望―学術からの提言2010」をまとめる最終段階にある。
 持続可能な人類社会と日本社会の展望を切り開くために、人文・社会科学から自然科学まですべての学術的活動の総合力を発揮し、出口としての技術をもっぱら重視する科学技術政策から基礎研究をしっかりと位置付ける総合的な学術政策への転換が必須であることを述べている。
 日本学術会議はまた、昨年末に総合科学技術会議に提出した「第四期科学技術基本計画への日本学術会議の提言」においても、我々の基本的立場を表明している。
 具体的には、大学のあり方、基礎科学のあり方、研究開発のあり方への提言などを参考にして欲しいが、その範囲を超える日本学術会議に対しての要請にも、できる限り速やかに対応できる体制をとるつもりである。
 科学者の代表機関であり内閣府の組織である日本学術会議は、新政権のこれからの精力的な取組を期待し、新しい日本の“ルネサンス”の実現のために、学術の見地から更なる提言と実効的なサポートを行う決意であることを改めて表明する。


 


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