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平成22年1月 第2387号(1月20日)

私大団連
  大型研究に私大交えた議論を
  科技審の作業部会で意見

 去る1月15日に開かれた科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会の第6回学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会からのヒアリングの中で、日本私立大学団体連合会(会長=白井克彦早稲田大学総長)は、大型プロジェクトについて私立大学の積極的参画を促す配慮などを求めた。

 同作業部会は、「すばる望遠鏡」や「スーパーカミオカンデ」等の学術研究の大型プロジェクト推進の意義や具体的な方策を探る。「学術研究の大型プロジェクトの推進について」の審議を重ね、このたび経過報告をまとめた。これについて国立大学協会、日本私立大学団体連合会等に意見を求めており、このたびそのヒアリングがあった。両団体とも、書面で意見を提出し、当日は事務局が読み上げた。私大団体連の意見の概要は次の通り。
 学術研究の大型プロジェクトは、人類社会に大きく貢献する重要な政策である一方、その意義を人類が直面する諸課題解決に向けてより幅広く捉え、課題選定に当たっては私立大学も含むよりオープンな形で議論し、大型装置の建設・利用に限らない多様な展開を図ることが必要。そのための意見は次の通り。
 一、今後は、従来の大型プロジェクトの特徴を活かしつつ、日本ならではの視点に立ち、国際的な協調・競争の中での意義を認識しつつ、100億円以上に限らず数十億円規模も視野に入れ、安定的・継続的な財政措置を行い、国民の科学への関心を高め説明責任を果たすなどの方策が重要である。
 二、これまで主として国立大学教員を中心に、関係学会等で構想が検討されてきたが、今後は多くの学術分野で活躍する私立大学教員の意見をより有効に反映し、学術界全体として取り組んでいく必要がある。
 三、大型装置の導入を必ずしも必要とせず、私立大学を含む多様な分散研究拠点をネットワークで結んでコミュニケーションをとりながら、効率良く研究を進めていく分散ネットワーク型大型研究の導入が必要。
 四、基礎研究の新たな展開には複数の学術分野に立脚した新たな学術分野や融合分野の開拓が必須である。また、今後の人類的な課題解決に資する基礎研究には、人文・社会科学的課題との連携が大切である。私立大学には人文・社会科学分野の研究者が多い。その研究コミュニティの力を大いに利用したオールジャパン体制確立が望まれる。
 五、大型プロジェクトの将来構想を取りまとめた「ロードマップ」を策定し、その成果の有効な検証・評価がなされるべき。その際、プロジェクトの意義と内容を熟知したピアによる評価が不可欠であり、その国際的な枠組みが必須である。また、研究や成果をわかりやすく定期的に根気強く説明する機会の創出や人財の育成が求められる。
 飯吉厚夫主査(中部大学総長)は、これを受け、「教育重視と言われる中小規模の私立大学でも、研究を継続することができる制度を考えていかなければならない」等と述べた。

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