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平成21年11月 第2382号(11月25日)

関東地区連絡協議会
  予算要望実現対策・中教審の審議と大学改革課題など協議
  私学事業団 山本センター長が講演

 日本私立大学協会(大沼 淳会長)は、去る11月17日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷において関東地区連絡協議会=通算第49回=(平成21年度議長:塚本桓世東京理科大学理事長)を同協議会所属の125大学から80大学120余名が出席して開催した。総会のほか連絡協議では、予算概算要求の実現対策、中教審の審議動向と大学改革課題への対応等を協議した。また、私学事業団の山本雅淑私学経営情報センター長が、私大経営の今後の課題について講演した。議事終了後には情報交換会も開かれた。

 同協議会の会長でもある大沼会長は、「来年度の予算編成に我々の思いをどう反映させられるか、残念ながら不透明で手さぐりの状況である。目下、概算要求の事業仕分けが行われているが、従来財務省主計局がやっていたことを実施しているような気がする。高等教育関係では、国公私大の共通の競争的事業のほか、科学技術開発関係、さらに国大運営費交付金、奨学金などが事業仕分けの対象となっているが、私学助成への影響等も予測されるので注視したい。戦後60余年、高等教育にとって今日ほど大きな転換はなかったのではないか。我々の未来が託されていると言っても過言ではない。その責任を担っている」と挨拶した。
 また、塚本議長からは、「会長から厳しい状況の話があった。我々私大協会は加盟する仲間全員の一致協力の下で課題解決を図っていきたい。その先頭に立つ役割をこの関東地区連絡協議会は担っていかなければならない」との決意を述べ挨拶とした。
 議事に入り、はじめに総会では、平成22年度同協会秋季総会の開催準備を関東地区が担当することから、塚本議長は「先の金沢での同協会の総会で決定した通り、千葉市・ホテルニューオオタニ幕張を会場に実施する。今後の諸準備を進めていくことになるが、役員会にご一任いただき6月の同地区総会に報告したい。千葉県下の加盟校の皆さんにはご協力をお願いしたい」と提案し、了承された。
 引き続き連絡協議では、同協会の小出秀文事務局長が@私立大学に対する今後の国の財政支援の在り方及び税制問題、A中央教育審議会等の審議動向と大学改革問題等への対応についてなど、それぞれ説明した。
 @については、今後可能な限り、民主党の幹事長室(陳情等担当副幹事長等)のほか、文科省の政務三役等に私学の役割等を強く訴えていくとともに、文科省とは従前にも増して連携を図ること、Aについては、大学分科会大学行財政部会の人材養成需要に対応した大学政策の在り方の論点や質保証システム部会の教育情報の公開の在り方などの審議動向を説明した。
 小休憩の後、日本私立学校振興・共済事業団の山本私学経営情報センター長が「私立大学経営の現状と今後の課題について」と題して、▽都道府県別の入学者と進学率、流入・流出状況、▽規模別入学定員充足率と合格率、▽新設学部の入学定員充足率、▽財務の変遷など種々のデータを示し、経営上留意しなければならないポイントを指摘するとともに、▽管理運営等に関するチェックリストでガバナンスの確立等についての注意を促した。
 講演の締めくくりに、▽寄附募集戦略について語り、“寄附募集格言集”(たまに行うキャンペーンより恒常的募集が大事、一割の富裕層が寄附額の9割を占める、卒業生からの小口寄附も重要↓オバマ米国大統領の選挙資金集めはオンラインで10ドルから、寄附額の一割はコスト、寄附金使途の設定、寄附目標額は外部へは少なく公表)を紹介した上で、「今は不況下、したがって“種まき”の時期として大事」と述べるなど、私立大学経営にとって示唆に富んだ多くの話題を提供した。
 議事終了後には、同協議会所属校の結束を一層固める情報交換会が開かれた。

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