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平成21年10月 第2377号(10月21日)

文部科学省概算要求
  一般会計5兆7562億円(+α)を提出
  国家戦略相「予算編成のあり方」提言
  私立大学等経常費補助3222億円(対前年度4億円増)

 15日に締切られた平成22年度概算要求は、民主党がマニフェストで掲げた「子ども手当て」などの重点施策の実現のため、総額で過去最高の90兆円を超えることになった。文部科学省の概算要求は、一般会計5兆7562億円+αで、マニフェスト工程表関係事項が4624億円+α(αは事項要求分)、その他の主要事項5兆711億円などとなっている。なお、その他の主要事項については、対前年度70億円減となった。高等教育関係の概要は次のとおり。なお、菅 直人副総理兼国家戦略相が座長の「予算編成のあり方に関する検討会」は、今後の予算編成についての基本的な方向性を「四つの柱」に取りまとめて提言している。

医師不足対策、大学奨学金
事項要求として額示さず

 (1)マニフェスト工程表関係事項
 ▽高校の実質無償化4624億円(新規)
 ▽医師不足解消のための医師等養成と大学病院の機能強化(事項要求:予算編成過程での検討)=医師不足解消に向けた医学部定員増に伴う教育環境の整備など。
 ▽大学奨学金等の充実(事項要求)=無利子奨学金貸与人員増など。
 (2)主要事項
 ▽高等教育の基盤整備と質の向上
 ○国立大学法人運営費交付金1兆1708億円(13億円増)
 ○国立大学法人等施設整備費451億円(10億円増)【他に財政融資資金390億円(13億円増)】
 ○私立大学等経常費補助3222億円(4億円増)=授業料水準の抑制、経営の健全性の向上、教育条件の維持向上のため、私立大学等の運営に必要な基盤的経費を確実に措置するとともに、医師不足の解消等や経営基盤の強化に取り組む大学等を重点的に支援。増額項目は、医学部定員増6億円、私立大学病院附属施設運営費1億円、地方中小規模大学支援13億円、経営改善に取り組む大学支援4億円など。
 一方、減額となるのは、学校数減に伴う経費、教育研究設備など。全体として4億円増となっている。なお、授業料減免に対しては、事項要求の大学奨学金等の充実に含まれることになっている。
 ○私立高等学校等経常費助成費等補助0143億円(4億円増)
 ○私立学校施設・設備の整備192億円(8億円減)=地震により倒壊の危険性がある私立学校施設のうち耐震性の低い施設(Is値0.3未満)を優先した耐震化等を推進するとともに、教育研究機能の高度化のための施設・設備の充実や低炭素社会の実現に向けた私立学校施設の整備の推進を図る。
 ○アジア等における高度産業人材育成拠点支援事業10億円(新規)=第二回日中韓サミット(平成21年10月10日)において、三国の大学間交流の促進が合意されたことを踏まえ、アジア地域等からの外国人学生を受け入れ、産業界と連携して、アジア等で急速な成長が期待される、先端技術分野等で実践的な教育を提供する取組を重点的に支援。(10拠点)
 なお、今後、この概算要求については、行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)等で予算の無駄遣いを検証する「事業仕分け」を行い年末の予算編成を目指す。

複数年度の予算編成や
達成目標明示など導入

 19日、「予算編成のあり方に関する検討会」(座長・菅 直人副総理兼国家戦略相)は、国民主権の下で納税者の視点に立った予算編成を行い、予算の効率性を高めていく。そのために「四つの改革の柱」を定め、可能なものは22年度予算編成から速やかに実行に移していくといった論点整理を取りまとめた。
 【第一の柱】複数年度を視野に入れた、トップダウン型予算編成
 ▽トップダウンで省庁横断的な予算編成を行い、官僚主導・縦割り行政の弊害を排除する。▽中長期的視野に立った複数年度の財政計画を策定し、規律ある財政運営を行う。
 【第二の柱】予算編成・執行プロセスの抜本的な透明化・可視化
 ▽新政権においては、インターネットなどを活用して予算編成・執行プロセスを透明化・可視化し、国民への情報開示を強化し、国民自身の目でムダをチェックできるようにする。
 【第三の柱】年度末の使い切り等、ムダな予算執行の排除
 ▽予算を毎年度編成し、国会で議決する単年度原則は、憲法上の重要なルールではあるが、予算執行の現場では、予算を年度末に無理やり使い切るといったムダが生じているとの指摘がある。▽財政規律を維持しつつ、同時に使い切り等のムダを排除するため、次年度への繰越制度の一層の活用など、政治において最大限の工夫・改善を行うとともに、これに対応するための体制整備を行う。
 【第四の柱】「政策達成目標明示制度」の導入により、国民に対する成果重視
 ▽英国の「公的サービス合意」制度を参考とした、「政策達成目標明示制度」を導入する。▽どのような政策を行うかではなく、その政策が国民に何をもたらしてくれるのか、具体的な「成果」を重視した目標を立てる。目標の達成度は客観的に検証する。▽これにより、国民への説明責任を十全に果たすとともに、より少ない予算で、より高い目標を達成するよう努力する。▽政策評価の実施にあたっては、民間のノウハウも積極的に活用していく。
 なお、実質的な複数年度予算編成の実現や「政策達成目標明示制度」の本格導入等は平成23年度からの実施とした。

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