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平成21年8月 第2371号(8月26日)

内部質保証システムの充実を
 大学評価・学位授与機構がフォーラムを開催

 去る8月3日、(独)大学評価・学位授与機構(平野眞一機構長)は、東京・一橋記念講堂において、大学評価フォーラム「内部質保証システムの充実をめざしたアカデミック・リソースの活用―個性ある大学づくりのために―」を開催。大学関係者ら336名が参加した。
 フォーラムでは、@「個性ある大学づくりと評価文化の定着」(川口昭彦大学評価・学位授与機構理事)、A「アカデミック・ポートフォリオとは〜教員の諸活動を効果的に文書化するための新たな手法〜」(ピーター・セルディン氏ペース大学名誉教授)、B「大学におけるアカデミック・ポートフォリオ導入事例」(ジェフ・キング氏テキサス・クリスチャン大学ケラーセンター所長・教授)の三つの講演が行われた。
 川口氏は、これからは、評価情報を自ら価値づけ次の活動を選択していく「評価文化」の定着を図る時期だが、教職員の意識への効果・影響について一定の成果が窺えるが、全構成員に浸透するまでには至っておらず、また「評価疲れ」が懸念される。これらの解決のためには、@大学の使命、理想像、目的などを明確にし、全構成員に対してそれらの共有化を図り、社会に向って発信、A評価に必要な資料・データを日常から収集・分析していくこと等が大切であると述べた。
 また、セルディン氏は、アカデミック・ポートフォリオの主要カテゴリー(前置き、教育、研究、サービス、専門的な活動と目標の統合)を具体的に説明。「何」だけでなく、「なぜ」、「どのように」を記すこと、また資料を添付することにより、説明部分の裏づけとなる証拠を提示することが重要であると述べ、ポートフォリオの在り方を示唆した。
 キング氏は、テキサス・クリスチャン大学においてセルディン氏らが行ったポートフォリオ・ワークショップについて述べ、結果として、新任教員が自身の方向付けの一環としてポートフォリオ・プロセスについての知識を得たこと、また、複数の教員が、終身在職権獲得にポートフォリオが役立つと報告したことなどを紹介した。
 その後、柳澤康信愛媛大学学長、日比谷潤子国際基督教大学学務副学長、生和秀敏大学基準協会特任研究員、大塚雄作京都大学高等教育研究開発推進センター教授をパネラーに迎え、パネルディスカッション「アカデミック・リソースの把握・分析と内部質保証システムの充実」が行われた。

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