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平成21年5月 第2358号(5月13日)

大学広報めぐって論議
  FCG総研のセミナー
  小田和歌山大学長が講演

 フジサンケイグループのエフシージー総合研究所(東京都品川区)は5月11日、12日の両日、東京・内幸町の日本記者クラブで、「大学経営における広報戦略と危機管理広報」セミナーを開いた。
 大学の広報担当者らを対象に、大学経営を後押しする広報の基礎と緊急時における広報体制などをセミナー。北海道から沖縄まで国公私立の32大学から36人が出席した。
 初日の基調講演は、文部科学省高等教育局の榎本剛企画官が「大学のあるべき姿・社会との共生」、和歌山大学の小田 章学長が「オンリーワンの大学を目指して」について行った。
 榎本企画官は、中教審の大学分科会の「中長期的な大学教育の在り方について」の諮問を受けての審議の全体的状況について、こう語った。
 「質保証システムと大学の量的規模が大きな論点になっている。大学の質と量の議論は、大学のグローバル化の取組みと関わるなど、他の諮問事項と深く関連する。質保証の明確化の観点からは、学位プログラムを中心に大学教育と制度を再構成していく方法も考えられるため、そのことも平行してWGで検討を行っている」
 小田学長は「和歌山大学最大のオンリーワン戦略は観光学部の設置」と、観光学部の設置までの苦労と学部の概況を語った。さらに、教育、研究分野で行った数々の改革も披露。学長による定例会見を設けて成功した例など大学広報のあるべき姿についてもユーモアを交えて話した。
 小田学長と立命館大、東京経済大、武蔵野大の広報担当者らによるパネルディスカッション「経営と一体化した広報戦略」では、出席者から、大学広報に関する質問が相次いだ。
 二日目の模擬記者会見は、教職員によるセクハラ・パワハラ、在学生による刑事事件を想定。産経新聞編集局の現場責任者ら四名が記者役となり、大学当局を厳しく追及、大学当局になった出席者は汗をかきながら必死に答弁していた。

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