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平成21年1月 第2343号(1月1日)

地球環境への配慮ある教育を

 日本私立大学協会副会長/京都外国語大学理事長・総長 森田嘉一

 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中、皆様方には、日本私立大学協会の運営や活動などに対し、多大なご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。特に関西における秋季総会が成功裏に終了しました事を感謝申し上げます。本年も倍旧のご高配を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 世界との間のヒト、モノ、カネ、情報の流れが拡大し、わが国を取り巻く国内外の状況が急速に変化しています。社会構造全体が大きな変革期を迎えている中、豊かな教養と深い専門性を身につけた人材の育成と、さまざまな社会問題の解決への貢献など、大学に対する期待と要請はますます大きくかつ多様となっています。
 その中で私立大学の存在は、独自の建学の精神に基づき、それぞれの学風のもとでの個性豊かな人材を養成する高等教育機関として、人類社会の「この先」を見据え、歴史が誤作動を起こさないように大事なことを議論し解決し、そして積み上げていく極めて人間的な共同体でなければならないと考えています。
 言うまでもなく、教育というのは、次世代へと継続発展させていかなければならない人間の営みであります。教育の質を上げ、キャンパスの整備を国際的なレベルにまで上げ、さらに留学生を獲得しサポートするなど、これからの大学教育は今まで以上に文部科学省ほか関係省庁・地方自治体、他の高等教育機関等と総合的・有機的に連携していかなければ、学生のニーズの多様化、一八歳人口の減少、国境を超えた活動に対応ができなくなってくると考えています。
 ご承知のように、教育は、成果が出るまでに時間がかかります。それだけに確固たる姿勢でもって「この先」を見据えて、事にあたる必要があります。グローバル化の進展の中での大学教育のあり方を模索する上で何が大切か。私は、たとえば、「CO2削減はもはや環境のためといった漠とした話ではない。人びとのいのちと暮らしに関わる重要な問題となっている。地球環境への配慮のない教育研究は一切認められない」といった強い教育方針こそ、これから必要とする確固たる姿勢ではないかと考えています。
 新しい二〇〇九年も、確固たる信念のもと最大限の努力をしてまいりたいと思っています。皆様方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

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