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平成20年12月 第2341号(12月3日)

設置基準強化を検討 大学分科会委員懇談会

 去る十一月二十六日、文部科学省において中央教育審議会大学分科会委員懇談会が開催され、前回の大学分科会での大学設置・学校法人審議会大学設置分科会からのヒアリング等を踏まえた質疑・意見交換をもとに、@設置認可および設置基準の改善等について、A学位プログラムに関する検討について、BAHELO(OECD高等教育における学習成果の評価)についてなど審議が行われた。
 特に設置認可・設置基準の改善について議論が行われ、規制緩和から一転、再び基準を強化することを検討することになった。また、行政による「設置基準」「設置認可」と合わせて、事後の「認証評価」による双方からのチェック体制を組むことが必要との多くの意見が出された。
 今回示された、設置認可と設置基準に関する主な検討の方向性は次のとおり。
 @独立大学院(大学院大学)の大学らしさを担保すべく大学設置基準の審査要件の明確化を検討する。
 A専任教員の多くが「実務家教員」といった大学の出現による、教員組織全体として最低限必要な勤務日数や要件等を検討する。
 B通信教育設置基準の見直しにおいて、多様化し増加する技術・メディアの状況を踏まえ、十分な教育効果を確保するための設置基準のあり方等を検討する。
 C明らかに準備不足の申請について、形式上、最終判定までに、全体計画審査、第一次審査、第二次審査等のすべての手続きを経ていることの是非を検討する。
 D新たなコンセプトの学際分野の学部等について、適切に審査ができるような審査体制について検討する。
 また、学位プログラムに関する検討については、学位プログラム検討WGの委員でもある桜美林大学大学院の舘 昭教授の「米国の学位プログラムの概要と我が国の学位プログラムの在り方」と題した詳細な解説をもとに、意見交換が行われた。日本の大学の学部・学科の成り立ち、大学設置基準にも影響が大きいことから、分科会の委員共通の理解が必要であるとして、慎重に検討していくことになった。

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