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平成20年10月 第2335号(10月15日)

ポスドク任期は平均2.7年 半数が雇用条件に満足
  「ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析の調査」

 ポスドクの平均任期は二・七年、平均月給は三〇万六〇〇〇円―科学技術政策研究所(和田智明所長)は、このたび、ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析の調査結果をとりまとめた。
 同調査は、昨年十一月から今年一月にかけてポストドクター約一〇〇〇人に対して行われたもの。研究活動には大部分が、雇用条件は半数程度が満足していることなどが明らかになった。
 ポストドクター等としての任期は平均二・七年。日本におけるポストドクター等の平均月給は、税込みで約三〇万六〇〇〇円(男性:三一万四〇〇〇円、女性:二八万二〇〇〇円)である。
 研究分野別に見ると、最も高い工学系で約三三万円、最も低い人社系で約二一万一〇〇〇円と一〇万円以上の差がみられた。
 専用の机が用意されている者は九六%、専用のパソコンについては六四%、機関発行の身分証明書については八二・三%であった。業務内容の中身は「自分が主たる研究」が七割、「自分の研究以外の研究・教育業務」が一・七割、「その他の業務(雑務)」が一・三割となっている。
 「論文の執筆」に関してはある程度以上の自立性があると答えたポストドクター等が五〇%以上であるのに対して、「問題のあるプロジェクトの中止」に関しては二〇%程度であった。
 一年あたりの研究業績は、査読付論文本数で平均一・六本、紀要論文本数で平均〇・三本、学会発表回数で平均三・四回である。査読付論文本数では、工学系が一番多い。なお、海外での研究経験がある者は、査読論文本数が多い。
 ポストドクター等としての研究活動には大部分の者が満足しているが、「ポストドクターを選択したこと」、「生活全体」に満足している者は半数程度であり、ポストドクター等としての期間が長い者の方がそれに対する満足感が低くなる傾向がある。
 分野別に見ると、工学系は「現在の雇用条件」、「研究室の人間関係や人付き合い」、「生活全体」で高い満足度を示している。人社系は「ポストドクターを選択したこと」に対する満足感が高くなっている。
 一方、人社系は「現在の研究環境」に対する満足感が低く、保健系では「現在の雇用条件」、「論文等における著者名の並び順」、「生活全体」、農学系では「ポストドクターを選択したこと」が低くなっている。

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