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平成20年10月 第2335号(10月15日)

リベラルアーツをテーマに 大学教育学会関東支部

 大学教育学会関東支部(秀島武敏支部長)は、九月二十七日、東京・町田の桜美林大学において、大学教育研究会の総会・研究会を開催した。シンポジウムでは、リベラルアーツ(LA)をテーマに、桜美林大学、国際基督教大学(ICU)、お茶の水女子大学の新しい試みが紹介された。
 まず、桜美林大学の事例について、大道 卓リベラルアーツ学群長が発表した。同大学では、〇五年より学群制度を導入。学生は興味に応じて選択履修できるようになった。昨年にはLA群を設置。しかし、目的意識の希薄化等もあり、実際には副専攻等を取る学生が伸びない。学生へのアドバイジング体制を充実させ、きめ細かな指導等で対応しているとのことだった。
 ICUの事例を日比谷潤子学務副学長が発表した。同大学では本年より、学生が入学後に三一の主専攻から自分の学びを組み立てる教育改革を行なっている。アカデミックプランニング・センターを設置して主専攻選択の相談も受ける。これまで担当教員が様々な相談にのっていたが、今後は同センターも担っていく。
 最後に、お茶の水女子大学の三浦 徹副学長が事例を紹介した。同大学では、文理融合のLAを創成。「テーマ別科目群」を設置し、一つのテーマを学際的に学習する。課題としては、学生の一般的能力をどのように測るか、どのような女性人財を育てるかなどが提起された。
 今後、各大学では学士課程の構築が求められる。LAもその取組の一つだ。しかし、学生自身がその概念を理解し、主体的に学ぶ意欲を持つことがその前提となる。アドバイザー体制の強化等でどこまで意欲を引き出せるかが、取組の成否を分けるのではないか。

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