Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成20年9月 第2332号(9月24日)

博物館・文書館との連携
  私立大学図書館協が総会・研究大会

 私立大学図書館協会(会長=古城利明中央大学図書館長)は、去る九月十一日と十二日の両日、國學院大學の当番校のもと、同大において、第六九回総会・研究大会を開催した。
 一日目は、総会のほかに同大の図書館見学や「國學院大學の古典籍―竹取物語絵巻・住吉物語を中心として―」と題した、同大文学部の針本正行教授の講演などが行われた。
 二日目は、研究大会が行われ、二〇〇七年海外派遣研修報告、研究助成発表、講演などが行われた。
 講演では、はじめに、学習院大学文学部の保坂裕興教授が「大学図書館とアーカイブズ」と題して、アーカイブズの原理や特徴などについて詳細に述べた。韓国の記録物管理法等を紹介し、日本においては、アーカイブズ部門に専門家がいないこと、学内での位置づけも不明であること、アーカイブズについての理解・実施が遅れていることなどを示したほか、米国の大学図書館をベースとしたアーカイブズ資源開発について紹介した。
 続いて、「大学図書館と文書館・博物館との連携:主に博物館に注目して」と題して、近畿大学司書課程・学芸員課程担当の田窪直規教授が講演を行った。
 「大学図書館は、来館不要の図書館を目指し、その一方で"場"を充実させ、快適に過ごせる空間を演出し、学生のグループ活動や授業・会議に活用されるようになるべきである。また、デジタル資料の作成、情報発信、高度なサービスを行い、研究・教育に積極的に係るべきである。さらに利用者の求める情報・資料を総合的に提供するという意味では、文書館資料、博物館資料をも対象とする総合資料センターに脱皮することが求められる」等、示唆に富む話を述べた。
 最後に、國學院大學図書館の千々和 到館長の閉会の辞で、全日程を終了した。次回は、佛教大学の当番校のもと同大において開催される予定である。

Page Top