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平成20年9月 第2329号(9月3日)

学校における安全対策
  転落事故防止の留意点

 文部科学省は、このほど、「学校における転落事故防止の留意点」をとりまとめた。
 天窓からの転落死亡事件等を踏まえ、今後の学校安全の推進を目的として、転落事故防止を中心とした対策について、有識者による検討を行ってきた。安全対策上の具体的な留意事項の概要は次のとおり。
【共通事項】
 @事故情報の共有:(独)日本スポーツ振興センターの提供する事故情報の活用や、教職員及び設置者等の連携により、全国の学校等における事故事例に関する情報を適切に把握し、各学校における安全対策を講じることが重要である。
 A学校の現状把握:教職員が各学校において点検が必要な項目を認識した上で、学校保健法に基づき、日常的に安全点検を行うこと等が重要である。
 B安全指導の充実:学校内の危険箇所を児童生徒等に認識させ、自律的に判断して安全に行動することができる資質能力をはぐくむためには、具体的で分かりやすい指導を行うこと等が重要である。
 C施設面の配慮:転落の危険がある場所については、一見して危険であることを理解しやすいデザインや、具体的で分かりやすい効果的な表示等による注意喚起など、細部に至るまで十分な安全性を確保した計画・設計とすること等が重要である。
【個別事項】
 @天窓:児童生徒等が近づく可能性の低い場所に設置された天窓についても、児童生徒等の多様な行動を踏まえ、適切な安全対策を講じること等が重要である。
 A屋上:屋上への出入り口は、必要に応じ施錠すること等が重要である。
 B窓:腰壁の高さや窓の形状等について確認し、必要に応じ、窓面への手すりの設置や窓の開閉方式等について検討を行うこと等が重要である。
 C庇:日頃の指導や効果的な表示により立ち入り禁止の徹底を図ること等が重要である。
 Dバルコニー等:バルコニー、階段、吹抜け、外廊下等の手すりについては、十分な安全性を有するものとし、その下に足掛りとなるものを設置しないこと等が重要である。
 Eその他:本来、人が乗ることを想定していない、渡り廊下や駐車場の屋根等についても、乗ることにより破損して重大な事故につながることを、児童生徒等に十分理解させることが重要である。

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