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平成20年8月 第2328号(8月27日)

環境保全や省エネ活動など 夏期研修研究会

 私立大学環境保全協議会(中村 洋会長)は、去る八月六日、福岡工業大学(山藤 馨学長)において夏期研修研究会を開催した。
 今回で二三回目を迎える同研究会には、全国から私大関係者ら一一五大学約一六〇名が参加した。
 はじめに中村会長は、開会の挨拶の中で、「大学が研究・教育活動を積極的に行うと、それと相関してエネルギー消費も高まるため、環境問題への取り組みは、一朝一夕には解決できない大学にとって新たな問題である」と述べた。
 研修会では、まず山藤学長が「福岡工業大学の環境への取組と実践」と題して特別講演を行った。同大においては、環境調和型キャンパスづくりが行われ、教育環境のさらなる整備・充実が図られていること、また社会環境学部の取り組みなどが紹介された。山藤学長は、今後の方向性として、学内の横断的な組織である環境安全委員会の拡充・充実を図りたいと述べた。
 続いて行われた研修講演では、三つの講演が行われた。まず、温暖化対策と私大の役割について、浅野直人同大法学部教授が、洞爺湖サミットでの合意事項や低炭素社会のイメージを紹介し、私大も事業者としての責任を自覚し、構成メンバーが自らのワークスタイルの改革を実現していくことが必要であると述べた。
 次に、福岡大学環境保全センターの長野修治事務室長が、平成十六年から開催している九州地区私立大学環境集会の沿革と活動について紹介した。同じ地域内なので、廃棄物の処理価値などについて、共通の話題も多いという。
 最後に、福岡県環境部環境政策課企画広報監の宮ア俊太郎氏が、同県の気候変動施策および「福岡県地球温暖化対策推進計画」の目標達成に向けて、福岡県が取り組んでいる事業(エコ事業所応援事業など)を紹介した。
 続いて、事例報告として福岡工業大学の学生が報告を行った。学内を中心に環境活動を行っている「えこFIT」が、学内売店のレジ袋に代わるリユースバックを導入し、レジ袋の使用枚数を大幅に減らしていることなどを、また同大環境サークル「オアシス」が学外清掃活動の取り組みなどを紹介した。
 その後行われた討議は、次の四つのグループに分かれ行われた。(A)環境保全への入門、(B)環境保全意識の活性化、(C)大学における省エネ活動、(D)環境問題全般。(A)グループでは、活発な自由討論が行われ、どのような組織形態をつくればよいのか、環境に対する学生の意識が低いなど、さまざまな意見が出された。
 なお、この度の研修会では処理施設見学会が企画され、参加者約六〇名が、七・八日の両日、北九州市の(株)アサヒプリテックと(株)光和精鉱を見学した。
 環境問題への関心が社会的に高まる中、全私学連合では、昨年、自主行動計画を策定し、二酸化炭素の年間排出量を毎年一%ずつ削減する目標を掲げた。大学においても地球温暖化対策などに対する積極的な取り組みが求められている。

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