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平成20年8月 第2327号(8月20日)

イリオモテヤマネコ生息 約100匹と減少傾向 環境省が西表島で調査

 環境省は、平成十七〜十九年度の三カ年で「イリオモテヤマネコ生息状況等総合調査(第四次)」を実施、このほど、結果をまとめた。
 今回調査の結果等から、イリオモテヤマネコの生息個体数を約一〇〇匹と推定。生息個体数は、平成四〜五年度の第三次調査時から減少傾向にあるものと推定される。要因は、交通事故による個体数減少や好適な生息環境の減少などが考えられる。
 同省は、イリオモテヤマネコの生息状況等のモニタリング、傷病個体の救護、交通事故防止対策等の保護増殖事業を一層推進する。さらに、調査結果等について広く普及啓発を行い、イリオモテヤマネコの現状や保護の必要性について理解を求めていく。
 イリオモテヤマネコ生息状況等総合調査は、昭和四十八年以降、十年おきをメドに生態解明と生息状況把握のための総合調査を実施してきた。
 第四次調査結果の概要は次の通り。
 生息個体数の推定は、電波発信機を用いたラジオトラッキング調査や自動撮影装置による定点調査等の結果を基に、推定方法によってイリオモテヤマネコの推定生息個体数を算出すると一〇〇〜一〇九匹となった。
 (第三次調査時のデータから、今回と同じ方法で推定生息個体数を算出すると一〇八〜一一八匹)
 イリオモテヤマネコが高密度に生息する西表島の低地部で、行動圏をもって定住しているメスの減少傾向が確認され、西表島の生息個体数全体としても減少傾向にあると推定される。
 その要因としては、交通事故等による個体数の減少、生息適地の縮小が考えられる。
 今後の課題は、@高密度生息地である西表島低地部の生息環境を悪化させないこと、A安定した生息地として残されてきた自然林地帯を今後とも維持していくことが必要だ。
 また、交通死亡事故が継続的に発生しおり、個体群に大きな影響を与えていることが懸念される。このため、普及啓発活動や路上での注意喚起、アンダーパスの利用状況のフォローアップ等を強化継続していくことが必要になる。
 近年の観光入り込み者数の増加や観光形態の多様化に伴う環境の攪乱が懸念されることから、これらの実態やイリオモテヤマネコへの影響についても把握していくことになった。
 ネコ免疫不全ウイルス感染症(FIV)等の感染症や悪影響を及ぼす可能性のある外来種の侵入について、予防的な対策を継続していく。
 環境省の今後の取組は次の通り。
 @生息状況のモニタリングや繁殖に関する情報収集等を行うとともに、観光の実態や影響について把握に努める。A生息環境の維持改善のため、国指定西表鳥獣保護区及び西表石垣国立公園の区域のあり方について検討する。
 B交通事故の防止のため、注意喚起標識の設置やキャンペーン等を推進する。C地元住民や関係機関、西表島を訪れる観光客等に、本調査の結果を広く周知し、イリオモテヤマネコの現状と課題について理解を求める。Dイエネコの適正飼養の促進やオオヒキガエル等外来生物の侵入防止を徹底する。

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