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平成20年8月 第2326号(8月6日)

私大の入学定員充足率106.54%(対前年度2.42ポイント減)
  定員割れ大学は47.1%と悪化 「入学志願動向調査」

 日本私立学校振興・共済事業団(鳥居泰彦理事長)は、このほど、「平成二十年度私立大学・短期大学等入学志願動向」の調査結果を発表した。
 同調査は、通信教育部のみ設置する学校(大学三校、短期大学一校、大学院四校)、株式会社が設置する学校(大学三校、大学院五校)、募集停止の学校(大学二校、短期大学二二校)を除いた大学五六五校、短期大学三六〇校、大学院四三九校のデータを集計したものである。そのうち、大学についての概況は次のとおりである。(短期大学の概況は2面に掲載)
 ▽入学定員=四四万八五八〇人(三五三五人)〈以下、カッコ内は対前年度の増減で△印は減〉
 ▽志願者=三〇六万二八二五人(三万九一三八人)
 ▽受験者=二九四万一三三七人(三万三二四八人)
 ▽合格者=一〇五万六六一八人(△二万一二四四人)
 ▽入学者=四七万七九一八人(△六九九七人)
 ▽志願倍率=六・八三倍(〇・〇四ポイント)
 ▽合格率=三五・九二%(△一・一四ポイント)
 ▽歩留率=四五・二三%(〇・二四ポイント)
 ▽入学定員充足率=一〇六・五四%(△二・四二ポイント)
 入学定員充足率は一〇六・五四%であり、前年度から二・四二ポイント下降しているが、一〇〇%未満の学校数は五六五校中二六六校で全体の四七・一%となり、前年度の三九・七%から七・四ポイント上昇している。その内訳は、五〇%以上一〇〇%未満の学校数は前年度と比較して三二校増加して二三七校(四一・九%)となり、また、五〇%未満の学校数は一二校増加して二九校(五・一%)となっている。
 学校別の入学定員充足率では、前年度に充足していた大学のうち、充足率が上昇した大学が四七校、下降した大学が一二七校であった。一方、前年度入学定員未充足の大学のうち上昇した大学が五八校、下降した大学が九六校であった。
 また、前年度に入学定員を充足していたが未充足となった大学は五七校、逆に前年度は未充足であったが充足した大学は一七校あった。
 大学の規模別動向をみると、前年度と比較して志願倍率は、入学定員が三〇〇〇人以上、八〇〇人以上一〇〇〇人未満、一五〇〇人以上三〇〇〇人未満、四〇〇人以上五〇〇人未満の大学で上昇しているが、入学定員充足率は全ての規模の大学で下降している。
 地域別の動向をみると、志願倍率、入学定員充足率ともに最も高いのは東京であり、大都市圏で志願倍率、入学定員充足率が高い水準にある。過去五年間の推移をみると十六年度と比較して近畿で志願倍率が上昇、東京で入学定員充足率が上昇している以外、志願倍率、入学定員充足率が上昇している地域はない。
 学部系統別の動向をみると、志願倍率が最も高いのは医学で、以下、農学、経済となっている。入学定員充足率では、経済が最も高く以下、法学、農学の順。一方、学部数の急増により福祉の志願倍率、入学定員充足率が大きく下降した。

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