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平成20年6月 第2319号 (6月11日)

相互理解求める大学と企業

 文部科学省、就職問題懇談会、(独)日本学生支援機構(北原保雄理事長)は(社)日本経済団体連合会(御手洗冨士夫会長)の後援により去る六月三日、東京・港区の東京ビッグサイトで、平成二十年度第一回全国就職指導ガイダンスを開催した。
 はじめに北原理事長が「今春の大学卒業者は過去最高の就職率九六・九%となった。一方で、学生の就職活動の早期化により学業に影響が出てきている、新入社員の早期離職の増加等の問題も依然としてあり、今回のガイダンスが問題解決の一助となることを願う」と開会の挨拶をした。
 続いて、文科省の土屋定之大臣官房審議官が「我が国の将来を担う若者を社会に送り出す大学と、採用する企業とが連携し、厳しい国際環境のなかで日本が発展を遂げるために、協力して人材を育むことが重要」と、大学と企業双方に協力を促した。
 『今年度の就職・採用活動について』と題した講演では、まず、名古屋大学の平野眞一総長が、「採用選考活動の早期化・長期化が学生に余計な混乱を招き、各企業のみならず社会にとっても大きな損失となっている。良い方向に改善が図られるようご理解とご協力をお願いする」と述べた。
 また、経団連の川本裕康常務理事が、「今一度、各企業に倫理憲章の趣旨に合った採用活動の実践をお願いする」とした上で「企業の採用意欲が高まっている昨今だが、職業観をもった学生と目的意識に欠ける学生と、応募学生の二極化を感じる。ぜひとも志・行動力・知力の三つの力を備えた人材を獲得したい。また、フリーターの就職支援も視野にいれた若年者就労機会支援の取組を多くの企業に呼びかけていく。就業におけるミスマッチ解消を図るためにもインターンシップは有効であり、取組を進めていきたい」などと述べた。
 休憩の後、大学側から、専修大学の池本正純キャリアデザインセンター長が「キャリア教育のねらいと大学の独自性」と題して事例紹介を行った。
 また、企業側からは、(株)高島屋人事部能力開発・採用担当の守安佳秋次長が「高島屋の採用と人材育成について」と題した事例紹介を行った。
 会場を移して、情報交換会が行われ、参加企業が着座するなか、大学の就職指導担当者らが個別に訪問しては熱心に名刺を交換し、限られた時間の中で活発な情報交換を行った。

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