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平成20年5月 第2315号 (5月14日)

高まる食育への関心 前年調査を上回る「メタボ」知る人が96%

 内閣府はこのほど、「食育に関する意識調査」の結果をまとめた。食育に「関心がある」と答えたのが七五・一%と前回調査(平成十九年三月)を上回るなど食育に対する国民の関心が高まっていることがわかった。

 この調査は、食育に関する国民の意識や国民運動への関心等を把握。今後の食育推進施策の検討のための基礎資料を得ることを目的に行った。平成二十年二〜三月にかけて全国の二〇歳以上の三千人にアンケート調査した。
 「食育」という言葉やその意味を知っていたか、の問いには「言葉も意味も知っていた」と答えたのが四一・〇%。「言葉は知っていたが、意味は知らなかった」と答えたのが三三・〇%、「言葉も意味も知らなかった」が二六・〇%だった。
 前回の調査と比較してみると、「言葉も意味も知っていた」(三三・九%↓四一・〇%)と答えたのが上昇、「言葉も意味も知らなかった」(三四・八%↓二六・〇%)は低下した。
 性別でみると、「言葉も意味も知っていた」と答えたのは女性で、「言葉も意味も知らなかった」と答えたのは男性で、それぞれ高かった。
 「食育」に関心があるか,それとも関心がないかの問いには、「関心がある」と答えたのが七五・一%(「関心がある」三九・〇%+「どちらかといえば関心がある」三六・一%)。「関心がない」と答えたのが二三・一%(「どちらかといえば関心がない」一三・五%+「関心がない」九・六%)となっている。
 前回の調査と比較してみると、「関心がある」(六九・五%↓七五・一%)と答えたのが上昇し、「関心がない」(二八・三%↓二三・一%)と答えたのが低下した。
 性別でみると、「関心がある」と答えたのは女性で、「関心がない」と答えたのは男性で、それぞれ高くなっている。
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という言葉やその意味を知っていたか、についても聞いた。
 その結果、「言葉は知っていた」と答えたのが九六・二%(「言葉も意味も良く知っていた」五八・五%+「言葉も知っていたし,意味も大体知っていた」二九・一%+「言葉は知っていたが,意味はあまり知らなかった」六・九%、「言葉は知っていたが、意味は知らなかった」一・七%)。
 また、「意味まで知っていた」と答えたのは八七・六%、「意味までは知らない」と答えたのは八・六%となっている。一方、「言葉も意味も知らなかった」と答えたのは三・八%となっている。
 前回調査と比較して見ると、「言葉は知っていた」(九一・八%↓九六・二%)と答えたのが上昇。また、「意味まで知っていた」(七七・三%↓八七・六%)と答えたのが上昇し、「意味までは知らない」(一四・五%↓八・六%)と答えたのが低下している。
 性別でみると、大きな差異は見られない。性・年齢別にみると、「言葉は知っていた」と答えたのは男女とも三〇代と四〇代で一〇〇・〇%となっている。
 また、「意味まで知っていた」と答えたのは男女とも四〇代で、「意味までは知らない」と答えたのは男性の七〇歳以上と女性の二〇代で、それぞれ高くなっている
 メタボリックシンドロームの予防や改善のために、適切な食事または定期的な運動を継続的に実践しているかについても聞いた。
 その結果、「実践して半年以上継続している」と答えたのが三〇・三%、「実践しているが、半年未満である」と答えたのが三・九%、「時々気をつけているが、継続的ではない」と答えたのが三一・七%。「現在はしていないが、近いうちにしようと思っている」と答えたのが一四・二%、「現在していないし、しようとも思わない」と答えたのが一九・八%だった。
 現在の食生活にどの程度満足しているか聞いたところ、「満足している」が八八・八%(「満足している」三五・〇%+「まあ満足している」五三・八%)、「不満である」が八・五%(「やや不満だ」七・四%+「不満だ」一・一%)となっている。
 日頃の食生活で「悩みや不安を感じている」と答えた人(七七三人)に、悩みや不安を感じているのはどのようなことか、を聞いた。
 「食品の安全性について」を挙げのが八一・〇%と最も高かった。以下「家族の健康について」(五〇・七%)、「自分の健康について」(四六・四%)などの順となっている。(複数回答、上位三項目)
 上位三項目について、性別でみると、「食品の安全性について」、「家族の健康について」を挙げたのは女性で、「自分の健康について」を挙げたのは男性で、それぞれ高かった。
 今後の食生活で、特にどのような面に力を入れたいと思うかを聞いたところ、「栄養バランスのとれた食事の実践」を挙げたのが五六・八%と最も高かった。以下、「食品の安全性への理解」(五一・六%)、「食べ残しや食品の廃棄の削減」(四〇・一%)、「規則正しい食生活リズムの実践」(三七・〇%)、「家族や友人と食卓を囲む機会の増加」(三六・〇%)などの順。(複数回答、上位五項目)
 食に関する情報をどこから入手しているか聞いたところ、「テレビ・ラジオ」が七五・九%と最も高かった。以下、「新聞・雑誌・本」(六二・八%)、「スーパーマーケット・食料品店」(三二・四%)、「友人・知人」(二九・一%)、「家族」(二七・〇%)などの順。(複数回答、上位五項目)
 上位五項目について、性別でみると、「テレビ・ラジオ」、「新聞・雑誌・本」、「スーパーマーケット・食料品店」、「友人・知人」を挙げたのは女性で、「家族」を挙げたのは男性で、それぞれ高くなっている。
 上位五項目について、性・年齢別にみると、「テレビ・ラジオ」を挙げたのは、女性の五〇代、六〇代で、「新聞・雑誌・本」を挙げたのは女性の四〇代から六〇代で高かった。
 「スーパーマーケット・食料品店」を挙げたのは女性の三〇代、四〇代で、「友人・知人」を挙げたのは女性の三〇代、五〇代、六〇代で、「家族」を挙げた者の割合は男性の二〇代から四〇代と女性の二〇代で、それぞれ高かった。
 郷土料理や伝統料理など、地域や家庭で受け継がれてきた料理や味で、次世代に、伝えたいものがあるか、また、実際に伝えているか聞いた。
 「伝えたいものがある」とするのが六七・八%(「伝えたいものがあり、実際に伝えている」三四・六%+「伝えたいものがあるが、実際に伝えていない」三三・二%)、「伝えたいものがない、知らない」と答えたのが二七・六%となっている。
 性別でみると、「伝えたいものがある」とするのは女性で、「伝えたいものがない、知らない」と答えたのは男性で、それぞれ高くなっている。

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