Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成20年5月 第2315号 (5月14日)

20年度科研費を配分(速報値) 新規応募件数3.9%増で採択率20.7%
 新規採択+継続分1398億円直接経費を交付

 文部科学省は、このほど「平成二十年度科学研究費補助金」(以下、科研費)の配分について、機関別件数及び配分額等を公表した。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで全分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究」を対象とする「競争的研究資金」である。平成二十年度は一九三二億円(対前年度一九億円、一・〇%増)の予算を計上しており、新規採択分と継続分を合わせて応募研究課題一二万二八〇四件の中から四万八九〇三件が採択された。(私立大学五〇八校の配分額は2面に掲載)

 “若手”等は11月決定
 平成二十年度の科研費については、審査を経た「特別推進研究」「特定領域研究」「基盤研究」「萌茅研究」「若手研究」「奨励研究」(「特別推進研究」「基盤研究(S)」「若手研究(S)」及び「若手研究(スタートアップ)」の新規課題を除く)について、四月二十五日までに取りまとめられた速報値。今回交付内定を行った研究課題については、交付申請書の提出を受け、五月下旬から六月中旬に交付決定が行われる。
 また、現在審査中の「特別推進研究」「基盤研究(S)」、「若手研究(S)」及び現在公募中の「新学術領域研究」「若手研究(スタートアップ)」「特別研究促進費(年複数回応募の試行)」の新規採択課題等の配分も含めた科研費全体の採択・配分状況については、十一月頃に公表される予定である。
 新規採択分
 応募数九万三一六三件から一万九三二七件が採択(採択率二〇・七%)されて、その配分総額は五一一億一〇二七万円(間接経費として外数で一二七億六四一六万円)となっている。
 新規採択+継続分
 応募数一二万二八〇四件から四万八九〇三件が採択(採択率三九・八%)されて、その配分額は一三九八億四一六一万円(間接経費として外数で三一六億七〇三万円)となっている。
 配分機関
 配分を受けるのは、一一四三機関で、国立大学八六校、公立大学七五校、私立大学五〇八校のほか、短期大学一五四校、工業高等専門学校六〇校、研究機関等二四〇機関、企業等二〇社。
 研究項目の配分状況
 次に、「新規採択+継続分」についての研究項目ごとの配分状況は次のとおり。
 ▽特定領域研究(我が国の学術研究分野の水準向上・強化につながる研究領域、地球規模での取り組みが必要な研究領域、社会的要請の特に強い研究領域を特定し、機動的かつ効果的に研究の推進を図るるもの)=七九九五件の応募から三四七七件が採択(同四三・五%)され二八五億五九〇〇万円を配分。
 ▽基盤研究(S)(一人または少人数で行う独創的・先駆的な研究)=二八一件の応募から二七八件が採択(同九八・九%)され四〇億二二〇〇万円(間接経費として外数で一二億六六〇万円)を配分。〈ただし、継続課題分のみの集計〉
 ▽基盤研究(A)(研究者一人又は複数の研究者が共同で行う独創的・先駆的な研究で応募総額により(A)、(B)、(C)に区分)=三六七二件の応募から一七六七件が採択(同四八・一%)、一七二億六七〇万円(間接経費として外数で五一億六二〇一万円)を配分。
 ▽基盤研究(B)=一万六七〇九件の応募から七五五九件が採択(同四五・二%)、三二二億二四七〇万円(間接経費として外数で九六億六七四一万円)を配分。
 ▽基盤研究(C)=四万三八九六件の応募から一万八〇六八件が採択(同四一・二%)、二一三億一六二万円(間接経費として外数で六三億九〇四九万円)を配分。
 ▽萌芽研究(意外性のある着想に基づく芽生え期の研究)=一万七六八四件の応募から三一九六件が採択(同一八・一%)され四二億七九六万円を配分。
 ▽若手研究(A)(三七歳以下の研究者が一人で行う研究で応募総額により(A)、(B)に区分)=一九二八件の応募から七五二件が採択(同三九・〇%)され四〇億八七六三万円(間接経費として外数で一二億二六二九万円)を配分。
 ▽若手研究(B)=二万四八九九件の応募から一万一六四五件が採択(同四六・八%)され一四〇億五〇六〇万円(間接経費として外数で四二億一五一八万円)を配分。
 ▽奨励研究(教育・研究機関の職員、企業の職員又はこれら以外の者で科学研究を行っている者が一人で行う研究)=三三八二件の応募から六七八件が採択(同二〇・〇%)され三億四九九七万円を配分。
 そのほか、研究成果公開促進費は、一三五〇件の応募から四七五件が採択(同三五・二%)され一三億六七九〇万円を配分。また、学術創成研究費については七九件に五七億六六二〇万円(間接経費として外数で一七億二九八六万円)を配分された〈ただし、継続課題のみの配分〉。

Page Top