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平成20年5月 第2314号 (5月7日)

30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率
  太平洋側で確率高まる 関東平野、宮城、北海道など

30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率
 政府の地震調査研究推進本部

 政府の地震調査研究推進本部はこのほど、三〇年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した〇八年版の「地震動予測地図」を公表した。
 全国を概観すると、静岡県から四国南部までの太平洋側で二六%以上の地域に広がっている。関東平野、宮城県の太平洋側、北海道の太平洋岸でも、高い確率で震度6弱以上に見舞われる可能性がある。
 同本部は、都道府県庁所在地の約一ワ四方の評価対象領域が、今後三〇年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性を示した。三%以上が「高い」、〇・一%以上三%未満が「やや高い」とした。
 札幌市(北海道):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が最も高くなっている。これは発生確率が高い石狩低地東縁断層帯によるものと考えられる。
 青森市(青森県):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が最も高くなっている。これは、近傍の青森湾西岸断層帯の地震の影響度が高いためと考えられる。
 盛岡市(岩手県):やや高い。三陸沖北部の地震に代表される海溝型地震の影響度が高い。
 仙台市(宮城県):やや高い。今後三〇年以内の地震発生確率が九九%以上という宮城県沖の地震の震源域に近いため、地震の影響度が非常に高くなっている。
 秋田市(秋田県):やや高い。日本海東縁部の秋田県沖の地震の影響度が高くなっている。
 山形市(山形県):やや高い。主要活断層帯で発生確率が高いグループに属している山形盆地断層帯北部の地震の影響度が高い。
 福島市(福島県):やや高い。宮城県沖の地震の影響度が最も高くなっている。
 前橋市(群馬県):やや高い。影響度としては南海トラフの地震が相対的に高くなっている。
 水戸市(茨城県):高い。沈み込む太平洋プレート内で発生する地震と南関東のマグニチュード7程度の地震の影響度が高い。
 宇都宮市(栃木県):やや高い。南関東のマグニチュード7程度の地震の影響度が高い。
 さいたま市(埼玉県):高い。南関東のマグニチュード7程度の地震、南海トラフの地震の影響度が高くなっている。
 千葉市(千葉県):高い。南関東のマグニチュード7程度の地震が最も影響度が高くなっている。
 新宿区(東京都):高い。海溝型地震の影響度が高くなっている。最も影響度が高いのは南関東のマグニチュード7程度の地震。
 横浜市(神奈川県):高い。海溝型地震の影響が高くなっている。これに加えて主要活断層帯のうち発生確率が高い神縄・国府津―松田断層帯の地震の影響度も相対的に高くなっている。
 新潟市(新潟県):高い。日本海東縁部の地震である佐渡島北方沖の地震の影響度が高くなっているが、最も影響度が高いのは活断層が特定されていない場所で発生する地震。
 富山市(富山県):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が高くなっている。これは地震発生確率の高い高山・大原断層帯や砺波平野断層帯・呉羽山断層帯の影響であると考えられる。
 金沢市(石川県):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が高くなっている。これは発生確率の高い森本・富樫断層帯の地震によるものであると考えられる。
 福井市(福井県):やや高い。相対的に最も影響度が高いのは、活断層が特定されていない場所で発生する地震。
 甲府市(山梨県):高い。南海トラフの地震の影響度が最も高いほか、糸魚川―静岡構造線断層帯の地震の影響も見られる。
 長野市(長野県):高い。主要活断層帯の地震の影響が支配的。これは、長野県の中央部を南北に走る、発生確率の高い糸魚川―静岡構造線断層帯の地震による。
 岐阜市(岐阜県)、静岡市(静岡県)、名古屋市(愛知県):高い。これらの地域では南海トラフの地震の震源域に近く、その影響度が非常に高く支配的。
 津市(三重県):高い。三重県および近畿地方では、最も影響度が高いのは南海トラフの地震。
 大津市(滋賀県)、京都市(京都府)、大阪市(大阪府)、神戸市(兵庫県)、奈良市(奈良県):高い。南海トラフの地震の影響度が最も高くなっているが、主要活断層帯の地震の影響度も高い。
 和歌山市(和歌山県):高い。南海トラフの地震の影響度が支配的。
 鳥取市(鳥取県)、松江市(島根県):やや高い。相対的に最も影響度が高いのは、活断層が特定されていない場所で発生する地震。
 山口市(山口県):やや高い。沈み込むフィリピン海プレート内で発生する地震と活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度が相対的に高い。
 岡山市(岡山県):高い。南海トラフの地震の影響度が高くなっている。
 広島市(広島県):高い。海溝型地震の安芸灘〜伊予灘〜豊後水道のプレート内地震の発生領域に近いため、その影響度が高い。
 徳島市(徳島県)、高松市(香川県)、松山市(愛媛県)、高知市(高知県):高い。南海トラフの地震の震源域に近いため、その影響度が非常に高く支配的。
 福岡市(福岡県):やや高い。主要活断層帯の地震の影響度が高くなっている。発生確率の高い警固断層帯(南東部)の地震によるものであると考えられる。
 佐賀市(佐賀県):やや高い。最も影響度が高いのは活断層が特定されていない場所で発生する地震。
 長崎市(長崎県):やや高い。最も影響度が高いのは、活断層が特定されていない場所で発生する地震。
 熊本市(熊本県):やや高い。活断層が特定されていない場所で発生する地震の影響度が最も高い。
 大分市(大分県):高い。最も影響度が高いのは南海トラフの地震。沈み込むフィリピン海プレート内の地震や安芸灘〜伊予灘〜豊後水道のプレート内地震の影響度がやや高くなっている。
 宮崎市(宮崎県):高い。最も影響度が高いのは沈み込むフィリピン海プレート内で発生する地震。日向灘のプレート間地震およびひとまわり小さいプレート間地震がこれに次ぐ。
 鹿児島市(鹿児島県):高い。南西諸島周辺の浅発地震の影響度が最も高い。次いで、沈み込むフィリピン海プレート内で発生する地震。
 那覇市(沖縄県):高い。沈み込むフィリピン海プレート内で発生する地震と南西諸島周辺の浅発地震の影響度が高くなっている。

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