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平成19年8月 第2285号(8月22日)

[新刊紹介]
  アジアの高等教育改革
  P.G.アルトバック・馬越徹編  北村友人監訳

 アジア諸国は、金融危機をはじめ幾多の困難を乗り越えながら経済成長を続けており、各国の高等教育も急速な拡大をつづけている。
 アジアの高等教育を概観するこうした試みは、同書の編者の一人であるフィリップG・アルトバック教授を中心に一九八九年『アジアの大学―従属から自立へ』の出版によって国際的にも知られている。
 同書は共通した要素をもつ国ごとに、グループ分けをして比較の視点を明確化している。第I部「アジア的展望」では、アジアの高等教育が直面している現状と今後の発展の方向性に関する大きな見取り図を描き出している。
 第II部「アジアの大国」では、高等教育分野において重要な役割を果たしていくことが予想される二つの大国を取りあげている。第V部「経済的繁栄と学術の発展」では、アジアの経済先進諸国がその地位を守り発展させていくために高等教育改革を推進する姿を描き出している。第W部「中所得国家と高等教育への投資」では、高等教育の拡充へと積極的に投資している現状を分析している。第X部「高等教育大衆化に向けての発展」では、高等教育の多様化とともに大衆化の進展が目覚ましい二か国について、高等教育が果たすべき社会的役割について考察を加えている。第Y部「低所得国家における大学の建設」では、移行経済期にある二つの国の高等教育について概観している。
 同書はアジアの文脈において今日の高等教育が直面する現実を映し出すという、ささやかではあるが重要な目的をもっている、としている。

アジアの高等教育改革

 A5判 412頁
 定価 本体6,000円(税別)
 発行所:玉川大学出版部
 TEL:042-739-8935

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