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平成18年9月 第2246号(9月20日)

宮沢賢治イーハトヴ自然館
生きもの・大地・気象・宇宙との対話

発行者 谷 昌之

 法華経に帰依し、農業研究や農村の指導者として献身的に活動した宮沢賢治は、三七歳で亡くなるまでに、その該博な知識と深い宗教的思索に裏打ちされた多くの童話や詩を残した。
 それらの作品は時代を超えて、今日なお輝きを放ち、多くの人々を魅了し続けている。
 しかし、彼の作品に登場する動植物や鉱物、星々の名前や気象に対する独特の表現の仕方などはなじみの薄いものも少なくなく、その知識のない読者にとっては具体的なイメージがつかみにくい面がある。
 同書は、「銀河鉄道の夜」「セロ弾きのゴーシュ」「やまなし」「雪渡り」「よだかの星」などの代表作を含む四〇編の童話や詩の中から、特に印象に残るシーンを取り上げ、そこに描かれた自然を再現し情景を彷彿とさせる芸術的とも言える豊富な写真とともに紹介している。
 構成は全体を「生きものたちへのまなざし」「大地との語らい」「風と水をめぐる旅」「宇宙との交感」の四つの章に分け、独特の美しい原文と珠玉の写真とのコラボレーションで賢治の世界を味わうことのできる贅沢な「賢治入門書」となっている。
 賢治生誕一一〇周年の今年、彼が愛した自然と宇宙に思いをはせ、生命の重さや地球の未来などを考えるきっかけとしても薦めたい一冊である。
 宮沢賢治イーハトヴ自然館 生きもの・大地・気象・宇宙との対話

A5判二〇七ページ、定価(二八〇〇円+税)
発行者 谷 昌之 
発行所 株式会社東京美術、
TEL 〇三―五三九一―九〇三一
http://www.tokyo-bijutsu.co.jp/

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