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平成23年1月 第2426号(1月1日)

看護教育の高レベルな教育課程を!
  100歳を迎える現役理事長からのメッセージ 


聖路加看護大学理事長 日野原重明

 今年、100歳を迎えられる聖路加看護大学の日野原重明理事長は、健康で元気に世界各地を飛び回っておられる。先生から加盟校へのメッセージと抱負を語っていただいた。

 私は99歳の現在まで、いろいろな仕事をしてきました。72年間の医師としての仕事の他に、医学と看護との教育にも長年従事してきました。医師に関するものとしては卒後医師の教育のための法律作りに長年関与し、ほぼ目的を果たしました。
 さて、看護教育についてですが、聖路加看護大学は1920年から看護専門学校(St.Luke’s College of Nursing)の名称で、旧制の女学校卒業生を対象に3年間の課程と1年間の研究科、すなわち4年間の課程を修める高等教育機関として出発しました。これは現在のCollegeに当たります。私は昭和49年から24年間聖路加看護大学の学長を続け、その間に修士課程と日本の看護大学の大学院での最初の博士課程を作りました。現在もこの学園の理事長を続けていますので、私は4年制看護大学の教育に日本では一番長く参与してきました。
 今、私が行っているのは、看護師がもっと医療の中で実力を発揮し、医師と協力しつつかつ独立して看護と医療が行える能力を得るための大学院修士課程を作り、看護師でありながら麻酔師や異常分娩や手術も行える高等助産師、小児科、訪問看護(準備中)においてナースプラクティショナーとして医療と看護とを併せて行える大学院の修士課程を進めています。このような看護師の高いレベルの教育課程を日本私立大学協会に加盟する看護系の大学にぜひ実行してほしいと強く願っています。
 私は、私の存命中にぜひアメリカ式の大学院大学としての医科大学を聖路加国際病院を中心に作りたいと思っています。現在はその準備をしています。戦後の日本の医学教育は依然として古い様式ですので、医学教育の革新を目指して努力を続けています。日本の私学をもっとユニークで質の高いものとしたいと願っています。

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