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平成22年2月 第2389号(2月3日)

コンソーシアムひょうご神戸
  「大学には行くもの」の国に
  「高等教育の役割」で講演

 大学コンソーシアムひょうご神戸(35法人・34大学他〈09年9月現在〉)は、去る1月23日、兵庫県・西宮の甲南大学西宮キャンパスにおいて、鈴木 寛文部科学副大臣を招き、基調講演を聞くとともに、同副大臣も参加してミニシンポジウムを開いた。
 基調講演で鈴木副大臣は「新時代の高等教育の役割」と題し、新政権の重点政策と高等教育機関への期待を語った。
 始めに、専門が情報社会論であることから、「現代はモノが重要な社会ではなく、コミュニケーションを考える“知価社会”とも言える。その主役は大学である」と語り、今年は社会に大学の意義を説明していく年にしたいと抱負を述べた。
 『民主党のスタンス』については、「民主党には“しがらみ”が無い。だから世論を気にしている。したがって、陳情のエネルギーがあるのならば、世論形成に力を割く方が有効ではないか」と感想を述べた。
 『教育政策』については、「進学率を上げること。そのためには親の家計負担が問題であるが、年収400万円以下の家庭の生徒の六割が大学に進学してくれればよい。教育政策の第一フェーズは『親の学費負担軽減』、第二フェーズは『教育の質と量』、第三フェーズは『ガバナンス』、このプライオリティでやっていきたい」とした。
 そのほか、『高等教育投資』については、「民意に基づいて支持を形成していくしかない。そのロジックのみ」と断じた。その上で、「人口に占める大学在学者は約22%、韓国やタイより低い、まずは、『大学には行くものだ』という意識の国にしたい」と述べるとともに「25歳以上の大学入学率は、日本の2.7%に対して、OECD加盟国平均は20.6%。色々な人が集まってこそ大学だ」と強調。
 引き続き、ミニシンポジウム「地域振興と大学教育」に移り、濱名 篤氏(大学コンソーシアムひょうご神戸副理事長、関西国際大学長)をコーディネータに、シンポジストとして鈴木副大臣、浅野考平氏(関西学院大副学長)、井野瀬久美惠氏(甲南大学長補佐)、川嶋太津夫氏(神戸大教育推進機構教授)の五氏が登壇。他のシンポジストの質問に鈴木副大臣が回答する形式で展開した。鈴木副大臣の回答の一部は次のとおりである。
 「中小企業等と地元活性化の視点で知恵出しの余地はある」「オープンカレッジは一年中行う。これで地元からもより理解されるようになるし、大学も変わる」「大学活性化のため卒論オブザイヤーなどできないか」「基礎研究と並んで人文社会の役割が重要になってくる」など大学教育への熱い思いを語った。


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