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平成21年5月 第2358号(5月13日)

就職に向けた質保証も
  IDE誌特集を深める会

 去る4月25日、IDE大学協会と桜美林大学が共催で、桜美林大学大学院(東京・四谷)において第四回IDE誌特集を深める会「就職危機再来への戦略」を開催した。
 米国のサブプライム・ローンの破綻に端を発した世界的な経済混乱は大学新卒者の就職環境を一変させた。「IDE現代の高等教育」4月号では特集テーマを「就職危機再来」とし、第一線で就職危機に取組んでいる各氏が、問題の解明とこれからの戦略について寄稿をしている。同会では、この特集をもとに、話題提供者が内容を掘り下げた上で、参加者との意見も交えて、就職を大学のアウトプットと捉えた視点での教育について議論がなされた。
 名城大学の犬飼 斉氏が「正課と正課外を組み合わせた就職支援」と題して、職員の立場から同大キャリアセンターの就職支援の取組みを紹介し、明治大学の中西 晶氏は「『就職の明治』として手作りの支援」と題して、教員の立場からの取組みについて紹介、いずれも教職恊働で取組む様子がうかがえた。
 前リクルート・ワークス研究所の角方正幸氏は、「就職危機の再来と大学の経営戦略」と題して、第26回ワークス大卒求人倍率調査(平成22年卒)のデータを示し、そこからみえる現在の就職活動状況、それらを踏まえた危機的環境下にある大学の経営戦略について述べた。
 筑波大学の加藤 毅氏は「就職氷河期が残したもの」と題して、かつての就職氷河期を考察、本物の学問の力が不在であったとして、今後は大学改革にむけて腰を据えて学生を育てる力が必要と述べた。
 企業が求める人材像は厳しくなり、大学が送り出す学生の「質」が問われる。大学が、学生の「働く」という意欲をいかに高めるか、というミッションに立てば、学生が学んできたこと等に対し、自信をつけさせ、保証することがまさに必要とされてきている。

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