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平成21年1月 第2345号(1月21日)

新春講演会・新年賀詞交歓会開く
  昭和大学歯学部口腔衛生学教授 向井美惠氏が講演

 日本私立大学協会の関東地区連絡協議会(大沼 淳会長、二十年度議長=細山田明義昭和大学学長)は、去る一月十五日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で、同協議会所属校から六六大学一〇五名が出席して新春講演会及び平成二十一年賀詞交歓会を開催した。
 開会に当たり大沼会長は「経済不安の中、社会の構造も大きく変わろうとしている。それに伴い学生もまた変化する。大学も変わらなければならない。各大学が改革し、この難局を乗り切るために、お互いに補い合っていくことが肝要である。その上で、国際社会の一員としての役割を果たしていくことが極めて大事な年となる」との年頭の挨拶を述べた。
 続いて、細山田議長から、「私の大学は医療系であり、昨年来メディアに叩かれ厳しい思いをした。教育を担う一方、医療現場の声にも耳を傾けなければならなかった。今年は、多少の失敗があっても前に歩を進めて、何か得るものがあるだろうとの思いを抱き、前に向かって前進したい」との決意を示した。
 さらに次年度議長を務める塚本桓世東京理科大学理事長も挨拶した。
 次に、同協会の小出秀文事務局長から、平成二十一年度私立学校関係政府予算案等について、概要を説明した。私学助成関係では「骨太方針二〇〇六」の“対前年度▲一%”の方針によって、対前年度四五億円減の四四五六億三五〇〇万円となったが、国公私立大学を通じた大学教育改革支援事業として、戦略的大学連携支援プログラムに30億円増の60億円などが措置された。また、税制改正要望では、寄付金額に係わる要望は認められなかったものの、家庭の教育費負担の軽減については、税体系の抜本的改革時に検討されることになった。
 その他、来たる一月二十七日に開催する「私立大学財政基盤の充実に関する研究協議会」の報告をした。
 引き続いて、「安全で美味しく食べるために」と題して、昭和大学歯学部口腔衛生学教授の向井美惠氏から講演が行われた。
 同氏は、まず、モノを食べる時の唇・舌・歯などの役割と口の中の各部位の動きについて解説。特に高齢になると舌の動きが緩慢になり、よく噛まなかったものが喉につかえて飲み込み損ったり、窒息したりする危険性があると解説した。正月にはモチが喉につかえる事故が多いが、米飯やパンでも起こることも示した(平成十八年のデータ:消防局の七二四例の食品による窒息事故例では、モチ七七例、米飯六一例、パン四七例)。さらに、不慮の事故のうち窒息による死亡数九一八七人のほうが、交通事故による死亡数九〇四八人より多くなっている(厚労省「人口動態統計」より改変)ことも紹介した。
 最後に、同氏は「ただ何となく食べるのではなく、嗅覚・味覚・視覚・触覚・聴覚の五感を意識した食べ方が大事」と述べるなど、歳をとっても健康を維持するために安全で美味しく食べるための示唆に富んだ内容で会場を沸かせた。
 会場を移しての新年賀詞交歓会では、来賓として招かれた文科省高等教育局私学部の河村潤子部長が「昨年十二月二十四日にはクリスマスプレゼントとして、学士課程教育の答申が出ました。各大学でご活用くだされば幸いです。経営と教育の質の両面を念頭におきながら諸施策を考えていきたい」と挨拶。そのほか村田善則私学行政課長、白間竜一郎私学助成課長、豊岡宏規参事官、馬場 剛参事官付学校法人経営指導室長、戸松幹孝私学行政課私学共済室長、小谷利恵私学行政課長補佐、堀川光久私学行政課長補佐らの幹部多数も出席して、和やかな賀詞交歓会となった。

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