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平成21年1月 第2344号(1月14日)

ピンチをチャンスに

 内閣総理大臣 麻生太郎

 新年あけましておめでとうございます。
 今年は、平成二十一年。今上陛下、御即位二〇年であります。国民とともに、心からお祝い申し上げたいと存じます。
 この二〇年間、日本は、平和と繁栄を続けてまいりました。バブル崩壊、金融危機など、いくつかの困難にも見舞われましたが、国民の力によって、見事に乗り越えてきました。
 しかし、アメリカ発の一〇〇年に一度と言われる世界的な金融・経済危機が生じています。日本だけが、この「つなみ」から逃れることはできません。しかし、適切な対応をすることにより、被害を最小に抑えることはできます。国民の皆さんの、景気や生活に対する不安。これを取り除くため、政府は、全力を尽くします。そして、世界の中で、最も早くこの不況から脱するのは、日本です。
 振り返れば、日本人は、これまでも、自らの選択と努力によって、日本という国を保守し、変化させながら、発展させてきました。近代に入ってからも、二度の大きな危機に直面しながら、そのたびに、新たな道を切り拓き、驚異的な成功をおさめてきました。
 一四〇年前。明治の先人たちは、戊辰戦争という内戦の中で、新年を迎えました。しかし、殖産興業を推し進め、欧米列強に屈することなく、肩を並べるまでになりました。
 次に、六〇年前。昭和の先人たちは、戦争によってすべてを失い、占領下の新年を迎えました。しかし、その後の革新的な努力によって、世界第二位の経済大国をつくりあげました。
 「日本」は、「日本人」は、その底力に、もっと自信を持っていい。これまでと同様に、日本という国は、ピンチをチャンスに変える。困難を必ず乗り越えることができると、私は信じています。私が目指す日本は、「活力」ある日本。「安心」して暮らせる日本です。日本は、これからも、強く明るい国であらねばなりません。
 五〇年後、一〇〇年後の日本が、そして世界が、どうなっているか。未来を予測することは、困難です。
 しかし、未来を創るのは、私たち自身です。日本や世界が「どうなるか」ではなく、私たち自身が「どうするか」です。
 受け身では、だめです。望むべき未来を切り拓く。そのために、行動を起こさなければなりません。
 私は、決して逃げません。国民の皆さんと共に、着実に歩みを進めていきます。
 新年にあたり、あらためて、国民の皆さんのご理解とご支援を、お願い申し上げます。
 本年が、皆さんお一人お一人にとって、すばらしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げる次第です。

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