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平成21年1月 第2343号(1月1日)

社会の期待と信頼に応えよう

 日本私立大学協会副会長/東京電機大学学園長 廣川利男

 新年あけましておめでとうございます。
 先ずは、日本私立大学協会の加盟各大学のご発展と教職員の皆様のご健勝を心からお慶び申し上げます。
 昨年度は、政治・経済・社会面で激動期を迎え、世界経済は一九二九年に始まる大恐慌以来といわれる危機に直面し、わが国でも不況の回復・金融危機解消の見通しが不透明なままで閉塞感の中から抜けられない状況にあります。しかし、暗い話題の多い中で、南部陽一郎さん、小林 誠さん、益川敏英さんの三人の先生がノーベル物理学賞を、続いて下村 脩さんがノーベル化学賞を受賞され、日本中を明るくし勇気を与えていただいた快挙でした。
 今、社会構造が大きな変革期を迎え、今後のわが国高等教育のあり方が問われています。
 少子化が進み、進学率が向上して全入時代となり学生のニーズが多様化している中で、「二十一世紀型市民」として平成十八年の改正された教育基本法で求められている豊かな教養と深い専門性を身につけた人材を育成する使命を果たし社会からの信頼に応えることが大学に求められています。
 また、高等教育のグローバル化が進む中で質の維持・向上の観点から大学院教育を抜本的に強化し、国際競争力を強化することが極めて重要な課題となっている為、その基盤である学士課程教育の充実を図ることが必要であるとして、昨年十二月、中央教育審議会で「学士課程教育の構築に向けて」が答申されました。
 更に、昨年閣議決定された「教育振興基本計画」の中で社会の変化の動向を踏まえ「教育立国」の実現に向け、改めて社会や学生からの多様なニーズに対応する大学制度およびその制度の在り方、グローバル化進展の中での大学教育の在りり方、人口減少期のわが国大学の全体像に対し、「中長期的な大学教育の在り方」として文部科学大臣から中央教育審議会への諮問が出されています。
 このようにわが国の高等教育、特に大学の将来のあり方について再検討が行われ、大学に対する期待と要請は極めて大きくなっています。従って、わが国高等教育の主流を成す私立大学の重要性が認識されているだけに、私学振興への財政的支援の充実を求めていくことが一層重要になります。
 今こそ私立大学として自主性を保ちながら、経営の健全化と教育・研究の特色化を図り、お互いに一層の発展をする年にしたいと思います。
 本年も、皆様の一層のご支援・ご指導をお願いいたします。

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