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平成20年11月 第2338号(11月12日)

新刊紹介 高校生の今、見つける 外国語のおしごと

先輩が語学の勉強法を助言

 グローバルな時代を象徴するような本である。本の帯には、「夢をかなえた先輩たちからのメッセージ」とある。
 〈語学を活かした仕事は日本でも探せます。日本に本社がある企業でも、外国人の多い職場なら、語学を生かすチャンスがたくさんあります〉とタイトル通りに綴られている。
 航空関係や旅行関係など外国語を使うポピュラーな仕事から在日外国大使館、字幕翻訳、外資系銀行、ホテル支配人などの仕事に従事する先輩二十七人が登場。語学勉強法などを丁寧にアドバイスする。
 職場で交わされる外国語会話、仕事の特徴、そして先輩たちからは、仕事に就くまでの経緯や達成感そして苦い思い出までもが紹介されている。
 あとがきに〈言葉を学ぶことは、文化を学ぶこと。そこに暮らす人々の生活や歴史などさまざまなことを学ぶことでもある〉とあるが、これを心に刻んで、高校生には読んで欲しい。
 ところで、オバマ次期米大統領が当選を決めた日の朝日新聞の天声人語は、〈アメリカの民衆は政治家に言葉を求め、言葉を楽しむ。心に響く言葉によって連帯感を強め、将来を確かめ合う〉と書いていた。
 牽強付会は承知のうえだが、この本が、米国のような「言葉を求め、言葉を楽しむ」国に日本が近づくために読まれたらいいなあ、と述懐した。
 団塊世代からみれば、「こういうグローバルな時代になったのだ」という、いい刺激にもなった。浦島太郎にならないためにも。

 「高校生の今、見つける 外国語のおしごと」
 監修協力・神田外語グループ
 幻冬舎
 03(5411)6222
 1,260円
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