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平成20年11月 第2337号(11月5日)

中学理科充実のために JSTが報告書

 科学技術振興機構(北澤宏一理事長)は、このたび、報告書「中学校理科教育を充実し、科学技術創造立国の確固たる基盤を」を取りまとめた。

 現在の中学校理科教育をめぐる問題を分析し、その改善策を検討するため、中学校理科教育の専門家が議論してきた。
 科学的リテラシーと科学技術系人材の育成が、理科教育に課せられた使命であり期待であるが、その実現に最も影響力を持つのは理科教員である。期待に十分に応えられる教員の養成や教職に就いてからの理科教員としての専門性の向上、および、彼らが力を発揮できる環境と、理科教育に対する社会からの支援が不可欠である。
 また、中学校段階の理科教育では、小学校から継続して子どもたちの科学的リテラシーを育成し、将来社会で活躍するための科学的な基礎を身に付けさせ、将来の科学技術系人材の育成にもつながる学習活動や体験機会を提供すべきである。
 このような観点から、報告書では、@中学校理科教員の勤務する環境、指導力、養成に関する課題、A生徒の多様な能力を伸ばすための課題、B地域・社会と連携して理科教育を推進するための課題に分けて問題を提起している。
 その課題解決のための方策として、@については、教員研修の充実やリーダーの養成、教員の資質の基準作り、Aについては、科学フェスティバルやコンテストの推進、日常での事象や職業との関連に関する意識の向上など、B地域・社会との人材活用による理科教育推進などを提案している。

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