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平成20年6月 第2320号 (6月18日)

関東地区連絡協議会開く
  常任幹事 細山田氏(20年度議長)ほか3名を選出

 日本私立大学協会(大沼淳会長)の関東地区一二三大学が所属する関東地区連絡協議会の第四六回総会が、去る六月六日、一〇一大学一五三名が出席して、東京・九段下のホテルグランドパレスで開催された。
 開会の挨拶に立った同協会会長でもある同協議会の大沼会長は「この協議会は今年度が役員の改選に当たって、新たに四人の常任幹事を決め、今後四年間、一年ずつの議長をお願いすることになる。過去の種々の教育制度が六〇余年の時代の経過の中で、多くの制度疲労とも言える大きな変化を来たしている。中央教育審議会、教育再生懇談会、さらに、国会等でも教育に関する様々な議論が展開されている。大学存立の基本に関わるこれらの重要課題にしっかり対応していかなければならない。加盟校の約三分の一で構成するこの協議会の皆さんのお力添えの下で、私学振興に邁進していきたい」と述べた。
 また、平成十九年度議長の小田一幸東京造形大学理事長からも挨拶があり、引き続いて、昨年秋の総会以後に同協議会に加入したルーテル学院大学が紹介され、当日出席の市川一宏学長が「小さな大学だが、志高く歩んでいきたい。ご指導の程よろしくお願いしたい」との挨拶を述べ、暖かい拍手で迎えられた。
 その後、総会の議事に入った。
 はじめに、平成十九年度の同協議会事業報告並びに収支決算、次期役員(会長、副会長、常任幹事、監査役)の選出については、小田議長の下で協議が進められ、事業報告・収支決算は審議の上で承認された。また次期役員の選出では、慣例にしたがって会長には大沼同協会会長、副会長には廣川利男同協会副会長がそれぞれ就任することとなり、常任幹事には、細山田明義昭和大学学長〈平成二十年度議長〉、塚本桓世東京理科大学理事長〈同二十一年度議長〉、小田一幸東京造形大学理事長〈同二十二年度議長〉、佐藤東洋士桜美林大学理事長・学長〈同二十三年度議長〉の四名が選出された。また、監査役には、松田博青杏林大学理事長・学園長、柴 忠義北里大学理事長・学長の二人が選出された。役員の任期は平成二十年六月六日から同二十四年三月三十一日まで。
 次に、平成二十年度の事業計画(案)及び予算(案)が細山田議長の下で協議され、提案どおり承認された。
 連絡協議に移り、同協会の小出秀文事務局長から、@私立大学に対する今後の国の財政支出の在り方及び税制問題(骨太の方針二〇〇八、教育振興基本計画への教育投資の具体的数値目標の設定など、大学関係政府予算概算要求関連)、A中教審等に係わる動向と大学改革問題への対応等(学士課程教育関連事項、留学生三〇万人計画関連事項など)、Bその他私立大学が直面する重要課題(地震防災対策特別措置法の改正問題など)について詳細に解説した。
 休憩をはさみ、東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(同協会附置私学高等教育研究所研究員)が「大学財務基盤の強化に向けて」と題して、寄付募集調査の結果から財務基盤の強化と「寄付」の活用について論じた。その中で、日本の大学の寄付募集の現状と課題に触れ、「日本では大学の特定のキャンペーンとして寄付募集をしているのが圧倒的であり、アメリカ等のように恒常的に広く薄く寄付を集めていない。また、フォローができていない。担当職員を決め、寄付獲得のための予算を組み、寄付者へのフォローアップを十分に行うなど、使途指定のない寄付集めに努める必要がある。努力の余地はまだまだある」などと示唆に富んだ講義を締めくくった。
 議事の終了後には、会場を移しての和やかな情報交換会も催された。

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