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平成20年6月 第2318号 (6月4日)

広島工大など11校 文科省が採択 女子中高生の理系支援

 文部科学省は平成二十年度、女子中高生の科学技術分野に対する興味・関心を喚起し、理系への進路選択を支援する事業を委託により実施する。大学、学会、独立行政法人などから応募のあった二九件の中から審査した結果、一一件(うち私大三校)が採択された。
 「女子中高生の理系進路選択支援事業」は平成十八年度から実施している。我が国は女性研究者の比率が欧米諸国に比べて著しく低く、理工系の学部・大学院においても女性の割合が低い。
 さらに、科学技術分野の職業に対する情報提供が十分でない。特に女子中高生が自らの進路を考える上で大学卒業後の進路を想起しにくく、科学技術分野への進学を躊躇しがちな傾向がある。
 こうしたことから、女子中高生の理系進路選択を支援するため、女子中高生の理系分野に対する興味・関心を喚起する様々な取り組みを行ってきた。
 採択された私大三校の計画と概要は次の通り。
 ◇広島工業大学 身近な「不思議」からの自分探し講座―女性技術者を育成する支援事業―
 身の回りにあふれている「不思議」を対象とした体験型の授業と、女性技術者の多方面における活躍を伝えるための講座を併せて行う。
 この取り組みを通じて理系分野の知識は女子中高生の身の回りにもあふれていていることを体感させ、理系分野への興味を引き出す。
 また、社会で活躍されている女性技術者の生の姿や企業の求人動向などを知らせ、理系分野に進学した女子学生の「卒業後の未来」のイメージづくりの手助けをする。
 ◇東京理科大学 「科学のマドンナ」プロジェクト
 女子中高校生にサイエンスの魅力を体験的に知ってもらうのがねらい。「Scienceを知る」、「Researchを体験する」、「Professionalに目覚める」をテーマとして推進する。
 八月に長万部キャンパス(北海道)で実験とフィールドワークを中心に、女子高校生を対象とした三泊四日の「長万部サマースクール」(真夏のマドンナたち)を行う。
 十一月には「ResearchからProfessionalへ」(秋のマドンナたち)を実施し、女子中高生と理科大の学生、大学院生、教員とが実験体験、講演会、交流会を通して理系分野を深める。
 ◇福山大学 輝け 未来の女性 Scientist Enjoy Science Lab!!
 備後地域の女子中高生を対象にした地域密着型の理科教育支援を展開する。理科領域に幅広く触れることを目的に企画した計四回の実験型理科学習を通して、理科の楽しさや面白さ、神秘さを伝える。
 理系進路を選択した自己の将来像を具体的に想起する一助として、講演、交流会によりロールモデルを提示する。また、一連の事業はWeb上で公開すると共に、質問や相談にも応じる。

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