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平成20年4月 第2310号 (4月2日)

20年度事業計画

重点目標

 日本私立大学協会では、去る三月二十七日開催の第一二八回春季総会において、平成二十年度事業計画を決めた。二十年度は、定款に定める目的及び事業に基づき、同協会加盟学校法人とその設置する大学相互の連携と協力によって、私立大学の振興とその使命達成並びに教育研究の発展に貢献するため、次の七項目にわたる重点目標を掲げるとともに、大学の教育力の強化、私学教職員の福利厚生問題への対応、私立大学経営の充実・強化に関する研究・推進、大学の社会的責任に関する研究・推進などの事業を展開する。

 平成二十年度は、「定款」に定める目的及び事業に基づき、加盟学校法人とその設置する大学相互の連携と協力とによって、私立大学の振興とその使命達成並びに教育研究の発展に貢献するため、以下の重点目標を定め、下記の主要事業を推進する。
 1. 高等教育・私立大学政策の再構築に関する研究・推進
 ―規制改革・構造改革対策を含む
 2. 大学の教育力の強化
 ―学士課程教育・大学院教育・生涯学習の質的充実・強化
 ―教職員の資質向上・研修事業の推進
 3. 私立大学関係政府予算・税制改正対策の推進
 ―国の教育費支出の在り方の研究を含む
 4. 私学教職員の福利厚生問題への対応
 ―年金問題、健康保険問題等
 5. 私立大学経営の充実・強化に関する研究・推進
 ―学校法人の強化に関する研究
 ―地域と私立大学の戦略的連携に関する研究
 6. 大学の社会的責任に関する研究・推進
 ―危機管理体制の構築に関する調査・研究を含む
 7. 社会啓発活動の強化
 重点目標、主要事業の推進においては、必要に応じて全私学連合や日本私立大学団体連合会の役員会・総会、各種の専門委員会及び本協会附置私学高等教育研究所等との連携を図り効果的に対処する。

20年度事業計画

T. 新たな私学振興基盤の確立

 私学振興の原理・諸制度の原点を確認するとともに、今後のわが国の動向、高等教育を取り巻く環境の変化を踏まえ、新たな私学振興基盤の確立を期する。
 1. 私立大学基本問題研究委員会
 @学校法人制度や私立大学の基本について、特に学校法人の在り方、私立大学存立の意義・役割、情報公開や法令遵守等の大学の社会的責任に関する研究を推進するとともに、各種審議会等で適切に対応する。
 A文教政策関連の諸課題について、特に教育振興基本計画の策定、規制改革・構造改革特区(株式会社立大学)対策等に関する研究を推進するとともに、私立大学の意見反映に努める。
 Bその他、学校法人・私立大学が抱える共通的な基本問題として、特に管理運営や財政基盤の強化策、私立大学への公財政支出の拡充方策や学校法人税制改正対策の在り方、教職員の福利厚生の在り方(私学年金問題等)等について、総合的な調査・研究を推進するとともに適切に対応する。
 C大学評価の在り方(自己点検・評価、第三者評価等とその公表の在り方等を含む)、新たな認証評価(分野別評価等)の在り方等について調査・研究を行うとともに、財団法人日本高等教育評価機構と連携・協力する。
 D小委員会を設置して「私立大学の財政基盤強化」「競争的資金の獲得」「監事体制の強化」「シニア世代の受入れ」「地域“共創”」「環境問題」等の研究を推進するとともに、必要に応じて協議会・研究会を開催する。
 2. 大学経営相談委員会
 @文部科学省、日本私立学校振興・共済事業団「私学経営相談センター」等と連携しつつ、加盟各大学への経営情報提供事業、経営相談対応等の効果的な在り方について検討し、必要に応じて対処する。
 A学生のセーフティネットの整備に関する研究をはじめ、私立大学の少子高齢社会への対策について検討する。
 B私学経営相談室の運営

U. 教育・研究の活性化と充実

 私立大学の振興と教育・研究の充実・強化に係る調査・研究と情報の提供を行うとともに、関係諸法令の改正等に適切に対応し、私立大学の教育・研究の一層の充実と大学院の機能の活性化を推進する。
 1. 教育学術充実研究委員会
 @学士課程教育・大学院教育の質的充実・再構築を推進するため、カリキュラムを含む教育課程の設計、教育方法、教育研究組織の編成、学生の学習支援と学力向上策、FD・SDを含む教職員の職能開発、教育の質保証システムの構築、入学者選抜、生涯学習等の諸課題について調査・研究・情報提供を行う。
 A大学における学術研究の充実を推進するため、関係省庁等とも連携の上、科学研究費補助金をはじめとする学術研究費の拡充方策、学術機関との共同方策、産学連携の推進方策、知的財産の取り扱い、人文社会系分野における学術研究の充実・活性化等について調査・研究を行う。
 B教育学術充実協議会及び必要に応じて他の協議会、研究会を実施。
 2. 大学教務研究委員会
 @教育学術充実研究委員会等と連携を図りつつ、学士・修士・博士課程教育、学習支援、留学生、生涯学習、産学連携、研究支援、高大接続等、私立大学における教育・研究と教務業務の在り方について調査・研究と研修業務を行う。
 A入学者選抜制度の在り方について、現状分析を含めて調査・研究を行うとともに、今後の教員養成の在り方並びに教員の資質向上方策について調査・研究を行う。
 B大学教務部課長相当者研修会の実施。
 3. 大学情報図書館研究委員会
 @大学における学術情報への対応と図書館の充実について調査・研究を行う。
 A必要に応じて協議会を実施。
 4. 学生生活指導研究委員会
 @高等教育の大衆化・個性化・国際化・生涯学習化等の進展を踏まえるとともに、学生の意識の多様化とその実態をとらえ、学生の自立心、社会性、生きる力、人間力を育てるための学生生活指導、学生支援等について調査・研究と研修業務を行う。
 A学生生活指導主務者研修会の実施。
 5. 就職委員会
 @就職指導・キャリア教育の在り方及び多様化する雇用形態・採用形態等、雇用を取り巻く諸情勢についての調査・研究と研修業務を行うとともに、学生の学習環境を確保するため、就職・採用活動の早期化をはじめ、諸問題について研究の上対応する。
 A就職部課長相当者研修会の実施。
 B日本私立大学団体連合会「就職問題委員会」等と連携。

V. 国際交流・協力の推進

 私立大学における教育・学術・文化等の国際交流・協力及び情報の収集・交換についての研究を行うほか、留学生の受入と派遣体制及び支援策の総合的整備、教授研究者交流の促進等を図る。
 1. 国際交流委員会
 @諸外国の大学との交流・協力について、従来通り、加盟校に必要な情報を提供するとともに、諸外国の大学に対して、日本の高等教育情報を提供する。
 A外国人留学生の受入に係わる国の援助方策等について研究するとともに、必要な私立大学の意見反映と効果的措置を講ずる。
 B私学高等教育研究所等と連携をとりながら、必要に応じて海外調査団等の派遣・協力をするほか、(財)私学研修福祉会海外研修事業等への協力を行う。
 C世界大学総長協会(IAUP)、国際大学協会(IAU)、アジア太平洋大学交流機構(UMAP)などの国際機関・教育研究団体との協力・交流を推進し、国際会議の開催等についての情報提供を行うとともに、UMAP日本国内委員会及び国公私立大学団体国際交流担当委員長協議会(JACUIE)の運営等について、引き続き日本私立大学団体連合会「国際交流委員会」と連携・協力する。
 D私立大学留学生別科における日本語教育の充実について、日本私立大学団体連合会「国際交流委員会・日本語教育連絡協議会」と連携して調査・研究等を推進する。
 E留学生担当者協議会の実施。
 2. 内蒙古・新疆学術交流委員会
 加盟校等の協力によって、中国内蒙古・新疆ウイグル自治区政府派遣の研究員の受入業務を継続して行うとともに、定期協議において日中両国の情勢の変化に応じた基本的在り方について再検討する。

W. 大学財政基盤の充実と強化

 私立大学財政の確固たる基盤を確立するため、必要に応じて関係団体・機関等と連携をとりつつ、私立大学への公財政支出の在り方及び税制改正の在り方を含め私立大学財政基盤の充実と強化に関する研究を推進する。
 1. 大学経理財務研究委員会
 @学校法人会計制度及び学校法人経理の在り方・改善方策について調査・研究・情報提供を推進する。
 A私立大学の財政安定化及び財務の充実策等について調査・研究を行うとともに、加盟大学への情報提供に努める。
 B日本私立学校振興・共済事業団の「学校法人基礎調査(納付金一元化調査)」のデータを利活用して、平成二十年度「学生納付金等調査」報告書(日本私立大学団体連合会編)を日本私立大学連盟、日本私立大学振興協会と連携し合同で作成・発行し、加盟大学への情報提供に資する。
 C大学経理部課長相当者研修会の実施。

X. 管理・運営の充実と強化

 学校法人・私立大学の管理・運営、教育・研究の充実・活性化に資するため、大学設置と組織・管理・運営の基本について常設専門委員会及び私学高等教育研究所と連携をとりつつ、私立大学の管理・運営の充実・強化に関する研究を推進する。
 1. 大学事務研究委員会
 @学校法人・私立大学の運営の公正かつ合理性を維持するため、組織・管理・運営業務の改善・充実策及び大学事務の在り方について調査・研究と研修業務・情報提供を行う。
 A第三者評価制度の導入に伴う私立大学の管理・運営、教育・研究の自己点検・評価を通じ、経営の充実と活性化方策について調査・研究を行う。
 B事務局長相当者研修会の実施。

Y. 広報事業活動の推進

 私立大学の果たす役割の重要性について、正しく社会一般の理解を得るため、広報事業活動を行う。
 1. 機関紙「教育学術新聞」(週刊)の紙面の充実に努め、ホームページを活用した加盟校への情報提供と私立大学案内等の広報事業を行う。
 2. 教育学術新聞運営委員会
 機関紙「教育学術新聞」の運営についての検討を行う。
 3. 本協会が私学研修福祉会と協力して行う教務・学生生活指導・就職・経理・大学事務の各種研修会の成果並びに各種問題別の協議会の成果及び調査結果等を逐次刊行し加盟校に配布するとともに、「全国私立大学案内」を刊行する。
 4. 本協会、教育学術新聞及び私学高等教育研究所のホームページ統合を機に三者の有機的連携の更なる充実に努めるとともに、長期的展望のもと、「会員専用ページ」を設けるなどホームページを活用した各種情報ネットワークの構築等について検討する。また、日本私立学校振興・共済事業団の「私学データバンク構想」と連携・協力し、同事業団のデータを利活用して、加盟大学への情報提供について検討する。
 5. 学校法人及び私立大学に係る理解を広く社会に周知するとともに、私学の要望実現に向けた施策構築のため、広報協力者会議を常設する。

Z. 協会事業の企画・立案・調整

 本協会が実施する事業及び予算に関する企画・立案・点検・調整を行う。
 1. 企画財務委員会
 @事業計画の企画
 A予算の立案
 B本協会が実施する各種研修会、協議会の調整を行うほか、新たな課題に応じた事業の調査・研究・研修・情報連絡会等を行う。併せて、委員会の合同研究会をはじめ、私立大学の共通課題への解決等を目指して、必要に応じて各種の協議会・研究会を実施する。
 C事業の体系化・効率化及び組織機構の見直し、研修事業の在り方等について検討する。
 2. 私学高等教育研究所運営委員会
 私学高等教育研究所の在り方及び運営のために必要な事項について検討する。
 3. 定款等検討委員会
 必要に応じて本協会の定款についての検討を行う。

[. 対外対処事業

 私立大学側の意向を関係方面に反映し、その実現を期するため、役員会をはじめ各種専門委員会・私学高等教育研究所等において私立大学振興の重要事項に関する調査・研究・研修・広報事業等を推進するほか効果的に対処する。
 1. 本協会役員会
 @会長・副会長会
 A常務理事会(毎月第二金曜日に原則開催)
 B理事会(毎月第四金曜日に定例開催)
《対処事業》
 ・制度・行政・法令関係及び各種審議会等政府・国会等対外的な折衝
 ・国庫補助金・税制改正等への対応
 ・私立大学関係団体及び機関との連携・協力
 ・倫理綱領及び経営指針に関する委員会
 2. 日本私立大学団体連合会
 @役員会
 A代議員総会
 B事務局長・参与会
 C委員会
 ・高等教育改革委員会
 ・公財政改革委員会
 ・就職問題委員会
 ・国際交流委員会(日本語教育連絡協議会を含む)
 ・大学経営委員会
 ・私立大学経営倫理委員会
 3. 全私学連合
 @代表者会議
 A事務局長会議
 B委員会
 ・私学予算委員会
 ・私学教育振興基本問題検討委員会
 4. 関係諸団体
 @日本私立学校振興・共済事業団
 A(財)私学研修福祉会
 B(財)私立大学退職金財団
 C(財)日本高等教育評価機構

\. その他の事業

 1. その他協会の目的達成に必要な事業を適宜実施する。
 二、教育学術新聞事業計画
 機関紙「教育学術新聞」(週刊)は、昭和二十八年九月十五日創刊以来、平成二十年三月十九日付をもって通算二三〇九号となる。
 本紙は私立大学の教育・研究の自由と大学の自治を守る旗手として、大きな役割を果たしてきているほか、我が国教育・科学技術関係の専門紙としての地位と基盤を築いてきている。
 私立大学の特色発揮と教育・研究の一層の充実、併せて私立大学に対する正しい認識を確立するため紙面充実に努め、下記の要領にて発行する。
 1. 編集方針
 私立大学の果たす役割の重要性と振興の必要性について、正しく社会一般の理解を得るため、教育・学術の研究推進上の諸問題、関係団体との連携、国際協力・交流、科学技術、スポーツ、文化の各ニュース、論評、書評、各種資料、学園ニュース等を掲載する。
 2. 発行計画
 毎週水曜日一〇、五〇〇部発行、年四八回(第五水曜日は休刊)〈A2判、4〜16ページ〉
 ▼特別号として新春特集号(新春座談会の実施)、春季・秋季総会特集号、中央教育審議会の答申特集号、さらに、全国私立大学入学要項連合案内号などを発行
 3. 主な記事内容
 ▼本協会の総会・理事会のほか、各種委員会活動
 ▼本協会の各種専門委員会活動と研修会、協議会等
 ▼文部科学省の予算をはじめ他府省等も含めた諸施策の情報
 ▼自民党・政府与党の文教政策への取組
 ▼中央教育審議会の審議動向と答申等
 ▼私学振興・共済事業団の調査・研究
 ▼私学高等教育研究所研究員等の論説
 ▼地域連携、環境対策、社会的責任などタイムリーな大学の取組
 4. 主要配布先
 加盟大学、国公私立大学、短大、高専、高校、中等教育学校、中学校、小学校、幼稚園の教育関係機関、政府、都道府県等の各部局、国会、政府関係機関、産業界、財界、言論報道機関、その他。
 三、私学高等教育研究所事業計画
 日本私立大学協会・附置私学高等教育研究所は、私立大学を中心とするわが国高等教育の在り方・社会的役割等の調査・研究を行うとともに、本協会の政策立案並びにわが国高等教育の発展に寄与するため、次の主要事業等を推進する。
 T 調査研究事業
 概ね十九年度プロジェクトの枠組みを踏襲し、次のテーマにより調査研究を行う。
 ・高等教育における私事化と政策(継続)
 ・私大マネジメントに関する研究
 ・私学ファンディングに関する研究(高等教育データブックの整備)
 ・“学士力”育成のためのプログラムと評価に関する研究
 ・質保証システムに関する研究(認証評価の在り方、質保証の国際的動向)
 ・IRに関する研究
 U 成果発表・啓発活動事業
 @研究員会議の開催
 ○調査研究事業の企画、その他本研究所の事業に関する検討。
 ○原則として隔月ごとに私学会館等にて開催。
 A公開研究会の開催
 ○原則として隔月ごとに私学会館等にて開催。
 B研究交流事業
 ○内外の高等教育研究機関・研究者等との交流・情報交換。
 C研究成果の発表・刊行と広報
 ○研究所シリーズ本、研究叢書その他出版物等の編集・刊行・配布。
 ○『教育学術新聞』の「アルカディア学報」に論説、書評等を発表。
 V その他の事業
 日本私立大学協会の各専門委員会と密接な連携を図り、必要な事業を実施する。

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