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平成20年3月 第2309号 (3月26日)

地域と共に考え、発展する大学

東北文化学園大学学長 坂 知節

 民事再生法の大学適用第一号という不名誉なレッテルを貼られて以来三年間、再生計画案に基づいて粛々と失地回復に努めてまいりました。その甲斐があって、ようやく本年一月末をもって東京地裁の監督下から解放され、自由の身となります。その間、平成十八年には、大学院健康社会システム研究科の課程変更認可申請を行い、厳しい審査を経て、既設の修士課程二年に加えて後期博士課程三年の設置認可をいただき、懸案であった大学院博士課程が完成しました。更に、平成十九年度には、入学定員六七五名の適正配置について検討を加え、定員割れが続いていた科学技術学部のカリキュラムの改善および学科名変更と定員の削減を起案し、その減員分を新たに医療福祉学部へと転換して、リハビリテーション学科に言語聴覚学専攻と視覚機能学専攻を加えることとしました。新たな専攻の教員任用や実習病院の確保など困難な課題が山積しておりましたが、それらを何とか克服して十二月三日付で無事に指定を受けることが出来ました。現在は、平成二十年度の定員確保を目標に全学が一丸となって努力しているところです。
 本学は、平成十一年開学ですので本年には開学一〇年目を迎えます。実学を尊重して、これまでに五期にわたり卒業生を送り出してきましたが、医療福祉学部リハビリテーション学科では、全国でも二位(理学療法士)、三位(作業療法士)の国家試験合格者を輩出するなど、質の高い教育を実践してまいりました。更に、総合政策学部では地域の専門家を客員教授として迎え、それぞれの立場から東北の地域づくりについて講義してもらう特別講義を実施し、学生の意識向上に努めるとともに、保健福祉学科では、高齢者の転倒防止や健康増進を町ぐるみで推進する方式を確立して宮城県登米市と協定を結ぶなど、学部学科ごとに積極的に活動しております。
 今後は、これらの企画に加えて、特色ある三学部の連携を深めつつ、地域と共に考え、地域と共に発展していく大学として、全学規模で地域に貢献していくつもりでおります。

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