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平成20年3月 第2308号 (3月12日)

死者数は7年連続の減少
  平成19年交通事故発生状況

 警察庁はこのほど平成十九年中の交通事故発生状況を発表した。それによると死者数は、五七四四人で、七年連続の減少となり、昭和二十八年以来五四年ぶりに五〇〇〇人台となった。また、平成十六年に過去最悪を記録した交通事故発生件数及び負傷者数も、三年連続で減少している。
 しかし、負傷者数は九年連続で一〇〇万人を超えるなど、依然として憂慮すべき交通情勢にある。
 過去一〇年間の推移は、死者数及び重傷者数は減少傾向にある一方で、交通事故発生件数は平成九年の一・〇七倍、また、死傷者数の九割以上を占める軽傷者は同一・一〇倍で、依然高水準にある。
 交通事故発生状況を月別にみると、死者数、発生件数及び負傷者数は、年の後半に多くなる傾向になり、いずれもピークは十二月となっている。
 事故件数を昼夜別にみると、夜間は、交通事故全体に占める割合が約四分の一(構成率二六・五%)に対して、死亡事故は約半数(同四九・九%)を占め、死亡事故率(交通事故全体に占める死亡事故の割合)は昼間の二・八倍と高い。
 過去一〇年間の推移をみると、死亡、重傷及び軽傷事故いずれも平成十二年をピークに夜間の占める割合が減少傾向にある。
 負傷者数を年齢層別にみると、三〇歳代(構成率一九・二%)が最も多く、次いで若者(一六〜二四歳)(同一七・八%)、四〇歳代(同一三・七%)、五〇歳代(同一三・六%)の順に多い。
 前年と比較すると、高齢者(六五歳以上)が僅かに増加したほかは全ての年齢層で減少し、特に、若者(同マイナス一万六七一八人、マイナス八・三%)、三〇歳代(同マイナス一万三九五八人、マイナス六・六%)及び五〇歳代(同マイナス一万三二〇三人、マイナス八・六%)の減少が顕著である。
 若者の負傷者数は、昭和五十年代前半から増加傾向を示し、平成二年以降はほぼ横ばいで推移した後、十二年をピークに減少し、平成九年の〇・七五倍となった。一方、高齢者は他の年齢層がここ数年減少傾向にある中、この一〇年間での増加が一・五〇倍と顕著であり、昭和五十年以降増加傾向が続いている。
 死傷者数を年齢層別・被害程度別にみると、高齢者の構成率は、軽傷者では一一・五%であるのに対し、重傷者では三割近い二九・〇%、死者では半数近い四七・五%で、被害程度が深刻になるほど高齢者の構成率が高い。
 軽傷者数及び重傷者数について、前年と比較すると、軽傷者では、高齢者が微増したほかは全ての年齢層で減少し、特に若者(前年比マイナス一万六〇六一人、マイナス八・四%)及び三〇歳代(同マイナス一万三三六七人、マイナス六・五%)の減少が顕著である。また、重傷者では、全ての年齢層で減少しており、特に五〇歳代(同マイナス七七三人、マイナス八・二%)、若者(同マイナス六五七人、マイナス六・五%)及び三〇歳代(同マイナス五九一人、マイナス七・七%)の減少が顕著である。
 過去一〇年間の推移では、軽傷者は、全体的に高い水準にある中、若者の減少(平成九年の〇・七七倍)が顕著である。また、重傷者は全体で平成九年の〇・八〇倍と減少傾向にあるが、高齢者は未だ高い水準(同一・一四倍)にある。
 負傷者数を状態別にみると、自動車乗車中が六割以上(構成率六二・一%)と圧倒的に多く、次いで自転車乗用中(同一六・五%)、二輪車乗車中(同一四・二%)の順に多い。
 死傷者数を状態別・被害程度別にみると、自動車乗車中は、軽傷者の約三分の二(構成率六四・一%)を占めているほか、死者の三分の一以上(同三五・〇%)、重傷者の約三割(同二八・九%)と各被害程度で多数を占めている。
 自動車乗車中のシートベルト(チャイルドシートを含む)着用有無別の致死率をみると、非着用者の致死率は着用者の九・四倍と高く、座席位置別では、運転席四三・二倍、助手席一一・二倍及び後部座席二・九倍となっている。
 自転車乗用中の死傷者数を年齢層別にみると、負傷者では、若者(構成率二一・三%)が最も多く、次いで子ども(同一九・九%)、高齢者(同一七・七%)の順で多く、死者では高齢者が約三分の二(同六六・四%)を占め圧倒的に多い。
 死傷者数の過去一〇年間の推移をみると、各年齢層とも概ね平成十六年をピークに減少傾向にあるが、未だ、三〇歳代(平成九年の一・八三倍)、二五〜二九歳(同一・四一倍)等は高い水準となっている。
 歩行中の死傷者数を年齢層別にみると、負傷者では、高齢者(構成率二八・一%)が最も多く、次いで子ども(同二〇・八%)の順に多く、両者で半数近くを占めた。一方、死者では、高齢者が七割近く(同六九・二%)を占め圧倒的に多い。
 事故件数を当事者種別(第一当事者)別にみると、自家用普通乗用車が半数近く(構成率四七・九%)を占め、次いで自家用軽乗用車(同一八・二%)の順に多く、自家用自動車で交通事故全体の約八割を占めている。
 自転車乗用中の事故件数は一七万一〇一八件で、交通事故全体の約二割を占め、一〇年前の一・二一倍となっている。事故件数を相手当事者別にみると、対自動車が八割以上(同八二・六%)と圧倒的に多い。
 事故件数を道路種類別にみると、事故全体では、市町村道が半数近くを占め、次いで一般国道、主要地方道の順に多い。死亡事故では、一般国道が約三分の一を占めている。

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