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平成20年2月 第2306号 (2月27日)

21世紀型市民育成に向けて

九州共立大学学長 佐古宣道

 本学は、昭和四十年に経済学部の単科大学として開学しました。昭和四十二年には工学部を増設し、続いて、大学院工学研究科(博士前期課程・博士後期課程)を設置し、平成十八年にはスポーツ学部を増設しました。しかしながら、平成二十年度から工学部での学生募集をやむなく停止するに至りました。この際、建学の原点に立ち返り、今後の社会の要請を見極めながら新しい構想の学部を立ち上げるために、設置母体である福原学園内で真摯に検討されています。
 本学は、創設以来実学を重んじ社会に貢献しうる人材の育成を目指して、学是「自律処行」のもとで、教育研究に専念してきました。この間、約二万四〇〇〇人の卒業生が巣立ち、今や社会の各界で活躍しています。学生諸子のクラブ・サークル活動も活発で、六人がプロ野球選手としてソフトバンクホークスに所属し、アテネオリンピックでは体操競技で金メダリストを出しました。
 本学の教育研究の重点課題については、教育主導大学の観点に立って、A幅広い職業人の養成、B総合教育の充実、C体育など特定専門分野の教育の推進、D地域貢献および産学官連携推進、に置いています。また、学生による授業評価、キャンパスミーティングでの意見交換および卒業年次の学生に対する学長アンケートを通じて学生からの意見も聴取しながら、入学して良かった、学び甲斐があったと評価されるように、教職員の職能開発に努め、教育力の向上に向け組織的に取組んでいます。
 私たち教職員一同は、私学である本学を取り巻く厳しい現状の認識を高めつつ、「若年者就職基礎能力」あるいは「社会人基礎力」として提起されている産業界が要望する能力をもつ人材の養成を念頭において、本学の教育研究についてのきめの細かい改善をさらに進めます。本年度、文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に申請していました「生涯キャリア開発型教育システムの構築」が採択され、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。
 昨年、福原学園は創立六〇周年の節目の年を迎えました。これを期に、私たちは、キャリア科目の新設を含め、学士課程教育の在り方をさらに充実・強化することにより、幅広い学びを保証して、「学士力」をもって新しい時代の流れに応えうる二十一世紀型市民に学生諸子を育て上げることを目指します。

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