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平成20年2月 第2304号 (2月13日)

岐阜聖徳学園大学のビジョン

 学校法人聖徳学園理事長 杉山勝久

 本学園は、「仏教精神を基調とした学校教育を行う」ことを建学の精神に掲げ、昭和三十七年十二月学校法人聖徳学園設置の認可を得ました。翌年四月高等学校を開校し、その後短期大学、更に昭和四十七年に四年制大学を開学しました。大学としては、未だ三六年しか経ていない歴史の浅い大学ですが、熱意ある創設者、よき教職員や学生に恵まれ、現在では、小規模ながら幼稚園から大学院までを擁する総合学園となりました。これはひとえに、本学園の教育が社会的理解と協賛を得てのことであります。
 大学(短期大学部含む)の学生総数は、わずか三三〇〇余名で、学部には、よき次世代を育てる教員志望者の実践力を培う教育学部、国際感覚に富み実践的コミュニケーション力のある人材育成の外国語学部、経済・情報化社会の可能性の開拓に挑戦できる人材を育てる経済情報学部の三学部があります。さらに短期大学部(幼児教育、生活情報、養護教諭、食物栄養)と大学院(国際文化研究科、経済情報研究科)があります。
 近年、社会倫理の劣化現象が色々な分野で目立つようになり、人間性の回復が強く求められています。本学では、建学の精神に基づき、人間教育を重視していますので、専門的知識技能に加え、社会を生き抜くための社会人基礎力を身につけるだけでなく、「心」を正しく方向づける情操教育に心を配り、社会改善に意欲を持つ人材育成に努めています。
 ただ、日本の高等教育界、特に私学は少子化により「大学全入時代」を迎え、未曾有の危機的状況に直面しています。ほんの一部の大学を除けば、大学への入学は容易になり、高校以下の若者の勉学意欲は低下して、学生の多様化が急速に進みつつあります。
 他方で、社会経済のグローバル化は企業・国家間の競争を高め、高度技術化と情報社会化の進展は高度職業人の需要を高め、国の内外において、学識・品性ともに優れた人材が必要とされています。
 このような時期には、小手先の対症療法でなく、教育の原点に立ち返る必要があります。教育環境をよくし、社会をよくするために本当に力のある人材を育成するということが原点です。このような普遍的なビジョンをもって、本学は自らの存在価値を高めていきたいと思っています。

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