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平成20年2月 第2304号 (2月13日)

合同フォーラムを開催 大学教育改革プログラム

 文部科学省と(財)文教協会は去る二月九日・十日の両日にわたり、横浜市のパシフィコ横浜にて平成十九年度「大学教育改革プログラム合同フォーラム」を開催した。同フォーラムは、特色GPや現代GPなど「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援」各プログラムが一堂に会した合同形式のフォーラムで、講演、パネルディスカッションをはじめ、選定事例報告、各選定校が取組を紹介するポスターセッションなどに、延べ約八〇〇〇人が来場した。

 第一日目は、文科省高等教育局長の清水 潔氏の、大学教育改革の動向や各選定校の具体的な取組等に関する理解を深めていただきたい、との挨拶で幕を開けた。続いて、学習院大学の佐々木毅氏が「挑戦が求められる学士課程教育」と題した基調講演を行い、課題が山積する学士課程教育について、学生が声を上げなくなった現状を鑑み、高等教育が「縦割り」的に閉じこもってやっていける時代は終わったとし、自己啓発と社会的積極性とが相互に補強しあうような人材を生み出すことができる学士課程教育があってこそ、知識基盤社会の最前線に人材を供給できると述べた。
 第一日目の午後は、各分科会が会場を分かれて次のとおり行われた。
 ▽特色GP(学士課程)〈事例報告・パネルディスカッション〉(委員長:前国際基督教大学学長・絹川正吉氏)、▽特色GP(短期大学士課程)〈事例報告・パネルディスカッション〉(第二審査部会主査:自由が丘産能短期大学学長・森脇道子氏)、▽新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム〈事例報告(東京家政大学・岩井絹江氏他)・質疑応答、意見交換〉(委員長:愛知学院大学学院長・学長・小出忠孝氏)、▽先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム〈事例報告・グループディスカッション等〉、▽法科大学院(専門職大学院等教育推進プログラム)〈パネルディスカッション(事例報告)〉、▽教員養成(専門職大学院等教育推進プログラム)〈パネルディスカッション(事例報告)〉、▽地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム〈事例報告(日本歯科大学・渋井尚武氏他)・パネルディスカッション〉、▽がんプロフェッショナル養成プラン〈事例報告(北里大学・益田典幸氏、近畿大学・中川和彦氏他)・質疑応答等〉。
 第二日目は、「GP事業の成果と今後の展開」と題し、広島大学高等教育研究開発センター長の山本眞一氏、東京農工大学の小笠原正明氏、金沢工業大学学園長・総長の黒田壽二氏、潟潟Kク取締役副社長の浅井彰二郎氏、日刊工業新聞社の山本佳世子氏らによるパネルディスカッションが行われた。まず、各パネリストそれぞれの立場からテーマに則った発言があり、GP事業の成果については評価が高いとし、一方で、支援期間終了後の継続、幅広い参加を促すこと、などといった課題を挙げた。過去のような護送船団的大学振興策ではなく、各大学が特色化・機能分化を図って発展することを支援するものとして、今後はよりきめ細かな事業が必要となる、などの意見が挙げられた。会場では、その後参加者も交えて、より実務的な意見交換などを行った。
 午後は、各分科会が会場を移し、次のとおり行われた。
 ▽特別企画・高大連携に関する分科会―深化する高大連携の新たな取組―〈講演・質疑応答・事例紹介〉、▽現代GP(地域活性化関連)〈事例報告(日本福祉大学・加藤幸雄氏他)・質疑応答〉、▽現代GP(キャリア教育関連)〈事例報告(日本福祉大学副学長・足立 浩氏他)・質疑応答、意見交換〉、▽現代GP(ICT活用教育関連)〈事例報告・質疑応答〉、▽現代GP(知的財産・コンテンツ関連)〈事例報告・意見交換〉、▽現代GP(環境教育関連)〈事例報告・意見交換〉、▽大学院教育改革支援プログラム〈事例報告(北海道医療大学・高橋憲男氏他)・各部会報告・質疑応答〉、▽大学教育の国際化推進プログラム〈事例報告・質疑応答〉。
 二日間にわたる今年度の合同フォーラムは盛会裏に終了した。平成二十年度は、特色GPと現代GPを発展的に統合した「質の高い大学教育推進プログラム」(予定額:八六億円)による大学教育改革の支援が図られる。

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