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平成20年1月 第2302号(1月23日)

学術研究推進体制で意見発表
  北里大 柴理事長・学長他

 去る一月十七日、科学技術・学術審議会学術分科会の研究環境基盤部会(第二八回)と学術研究の推進体制に関する作業部会(第一六回)の合同会議が文部科学省特別会議室で開催され、学術研究の推進体制について、北里大学と慶應義塾大学の私大二校からのヒアリングが行われた。
 はじめに、北里大学の柴忠義理事長・学長から「私立大学における教育・研究連携と研究拠点の整備」と題する意見発表があった。
 同氏は、同大学の組織のほか、二十一世紀COEプログラム、地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人教育支援プログラムのほか、特色GP、ハイテクリサーチ、学術フロンティア、オープン・リサーチ等の事業など、これまでの採択・活動状況や四研究所・八センターにおける研究・教育連携施設、学内外機関との研究連携等、さらに、チーム医療や農医連携、感染制御研究機構等の教育・研究連携などを説明した上で、私立大学共同利用研究機構の必要性を、施設整備(公的資金の投入)、研究者の不足(人材育成)、教育の比重の高さ(一定期間の研究への専念)などの視点から強調した。
 併せて、今後の課題として、共同利用研究施設に関する組織・形態、管理運営方法、資金、人材、国の長期的支援策等を挙げた。
 次に、安西祐一郎慶應義塾長が「真の『学術研究体制の構築』のために」と題して、学術研究は国立大学だけで全ての研究領域をカバーできないこと、近年の日本の国際競争力の低下などから、公費投入の仕組みや私立大学の足腰を強化した上で「オール・ジャパン」体制での仕組みが必要であると述べた。
 続いて、同大学の研究推進体制について、総合研究推進機構、先導研究センター等を紹介した上で、「今後の学術研究推進体制の構築に向け、研究者のボトムアップの連携支援を重視するとともに、省庁縦割りでは対応できない問題への取組みの視点も含めて、大学へのデュアルサポート(基盤的経費補助・競争的資金投入)システムを検討しなければならない」と力を込めた。また、世界的レベルでの多様性の実現のためには、若手研究者やポスドクの自立促進の環境整備、女性研究者が能力を発揮できる基盤整備等も欠かせないとした。
 二大学からの意見発表の後には、委員等との質疑応答等が行われた。

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