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平成20年1月 第2301号(1月16日)

身長、体重(男女共)横ばい傾向 「平成19年度学校保健統計調査」

 文部科学省は平成十九年十二月十三日、平成十九年度学校保健統計調査速報を発表した。調査対象は満五歳から一七歳までの児童、生徒及び幼児の一部(抽出調査)。調査事項は、児童等の発育状態及び健康状態。それによると身長、体重は男女ともここ一〇年ほぼ横ばい傾向。肥満傾向児は、男女ともここ一〇年は緩やかな上昇傾向だったが、昨年度と比較すると低下している年齢が多い。

 1、発育状態
 ▽身長
 男子の身長(全国平均値。以下同じ)は、一〇歳で前年度の同年齢より増加した。その他の年齢では、一二歳、一四歳及び一七歳で前年度より減少した。
 女子の身長は六歳、一〇歳及び一二歳で前年度の同年齢より増加した。その他の年齢では、七歳、一一歳及び一三歳で前年度より減少した。
 親の世代(三〇年前の昭和五十二年度の数値。以下同じ)と比較すると、最も差がある年齢は男子では、一二歳で三・四センチメートル高い。女子では一〇歳で二・六センチメートル高い。
 一七歳(平成元年度生まれ)の年間発育量をみると、男子では一一歳から一二歳時に発育量が著しく、一一歳時に最大の発育量を示した。女子では九歳から一〇歳時に発育量が著しく、最大の発育量を示した。最大の発育量を示す年齢は、女子の方が男子に比べ二歳早い。
 また、この発育量を親の世代と比較すると、男子では発育量が最大となる時期は一歳早い一一歳で、五歳から七歳及び九歳から一一歳の各歳時で親の世代を上回った。女子は、発育量が最大となる時期は親の世代より一歳早い九歳及び親の世代と同じ一〇歳で、五歳から九歳の各歳時で親の世代を上回った。
 ▽体重
 男子の体重(全国平均値。以下同じ)は、六歳、九歳から一五歳の各年齢及び一七歳で前年度より減少した。女子の体重は、一〇歳で前年度の同年齢より増加した。その他の年齢では、六歳、七歳、九歳、及び一一歳から一七歳の各年齢で前年度より減少した。
 親の世代と比較すると、最も差がある年齢は、男子は一二歳、一五歳及び一七歳で四・二闖dくなっている。女子では一〇歳で、親の世代より二・三闖dい。
 一七歳の年間発育量は、男子では一一歳から一四歳時に発育量が著しく、一一歳時に最大の発育量を示した。女子では一〇歳から一一歳時に発育量が著しく、一〇歳時に最大の発育量を示した。
 親の世代と比較すると、男子では発育量が最大となる時期は、一歳早い一一歳で、一一歳以下の各歳時、一四歳時及び一六歳時で親の世代を上回った。
 女子の発育量が最大となる時期は親の世代より一歳早い一〇歳で、一〇歳以下の各歳時で上回った。
 ▽座高
 男子の座高(全国平均値。以下同じ)は、八歳、一〇歳及び一六歳で前年度の同年齢より増加し、一六歳では過去最高だった。その他の年齢では五歳、六歳、一一歳及び一二歳で前年度より減少した。女子の座高は、一一歳及び一六歳で前年度より減少した。
 親の世代と比較すると、最も差がある年齢は、男子では一二歳及び一三歳で一・八センチメートル高い。
 女子では一〇歳で、親の世代より一・四センチメートル高い。
 2、健康状態
 ▽疾病・異常の被患率等別状況
 いずれの学校段階においても「むし歯(う歯)」が最も高く、次いで「裸眼視力一・〇未満の者」の順だった。
 ▽主な疾病・異常等の推移
 「裸眼視力一・〇未満の者」の割合は、幼稚園二六・二%、小学校二八・一%、中学校五一・二%、高等学校五五・四%で、幼稚園、中学校では前年度より上昇し、小学校、高等学校では前年度より低下した。
 年齢別では、「〇・三未満の者」の占める割合は年齢が進むにつれて高くなり、「裸眼視力一・〇未満の者」全体に占める割合も高い。
 「鼻・副鼻腔疾患」(蓄のう症、アレルギー性鼻炎等)の者の割合は、幼稚園三・七%、小学校一二・〇%、中学校一一・一%、高等学校八・四%で、前年度と比べると、すべての学校段階で上昇した。
 「むし歯(う歯)」の者の割合(処置完了者を含む。以下同じ)は、幼稚園五三・七%、小学校六五・五%、中学校五八・一%、高等学校六八・五%で、各学校段階で前年度より低下した。
 割合の推移をみると、三〇年前(昭和五十二年度)には、幼稚園を除く学校段階で九〇%を超えていたが、昭和五十年代半ば以降は低下傾向にある。
 年齢別では、一七歳が七二・八%で最も高い。また、処置完了者の割合は、一〇歳以降未処置歯のある者の割合を上回った。
 一二歳の永久歯の一人当たり平均むし歯等(喪失歯及びむし歯)数は、「喪失歯数」はほとんど変化がないが、「むし歯数」は一・六本で、昭和五十九年に調査を開始して以降、減少傾向にある。また、一〇年前の平成九年度と比較すると一・七本減少した。
 「心電図異常」(六歳、一二歳及び一五歳のみ)の割合は、小学校で二・五%、中学校で三・二%、高等学校で三・二%で、前年度と比べ小学校では上昇し、中学校及び高等学校では低下した。
 「ぜん息」の者の割合は、幼稚園二・二%、小学校三・九%、中学校三・一%、高等学校一・八%で、前年度と比べると、幼稚園以外の各学校段階で上昇傾向にある。
 なお、六歳以降は年齢が進むにつれて低くなる傾向にある。
 肥満傾向児の出現率は、男子では九歳から一七歳で一〇%を超え、一五歳が一三・五%と最も高い。女子では一五歳が九・九%で最も高い。
 痩身傾向の出現率は、男子では九歳から一七歳で一%を超え、一一歳が二・九%と最も高い。女子では八歳から一七歳で一%を超え、一二歳が四・〇%と最も高い。

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