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平成20年1月 第2301号(1月16日)

大学改革とルネッサンス

熊本学園大学学長 坂本正

 今日、大学は全入時代と少子化に直面し、一層厳しくなっております。また、社会も激動の時代にあり、私立大学の教育研究の充実はますます一段と重要性を増し、社会的責任も改めて問われております。少子化が進む中での人材育成において、今日、求められていることは、新しい時代のニーズに応えた教育プログラムをつくることです。それは世界的レベルで活躍できる人材の育成と専門的職業人の育成です。本学では、世界的レベルで活躍できる人材を育成するため、高度な教育を実践する大学院の設置を行っています。現在、全学部の上に六つの大学院修士課程、五つの博士後期課程を設置しています。大学院を設置することにより、国際標準の教員の質が確保できます。教員の質を確保できることによって、教育プログラムが充実され、ひいては大学院生、学部生の質の確保にもつながります。そして専門的職業人を育成するため、学部教育の充実を図り、新学科を設置しました。平成十七年四月に商学部ホスピタリティ・マネジメント学科、平成十八年四月に経済学部リーガルエコノミクス学科、社会福祉学部子ども家庭福祉学科を新設しました。これらはいずれも定員八〇名で、日本で初めて開設された学科です。
 熊本学園大学は、開学以来、「自由闊達」、「師弟同行」、「全学一家」の三綱領を伝統的に建学の精神としています。六五年におよぶ連綿とした、進化する歴史の中で醸成されたこの大学理念のもとで、地域に立脚しつつ国際性を身につけた有為な人材の育成を実践しています。卒業生は八万人を超えました。本学はこの伝統をさらに発展させるために、平成十七年四月から「学生が主役の大学づくり」、「国際規格の職業人の育成」、「地域に存在感のある大学であり続ける」という三つの教育の柱を掲げ、さらに新しい伝統と価値を創造する「熊本学園大学ルネッサンス」を推進しています。実学をベースにした九州ナンバーワンの学部教育とさらに高度な研究を実践しています。そして、本年を「熊本学園大学ルネッサンス躍進の年」として位置付け、グローバリゼーションの時代に対応する「国際規格の職業人」の育成に向けて更なる前進を目指しています。
 少子化が進み、大学間の競争の中で、重要なことは地域に密着することです。高校との連携を強化し、きめ細かく大学の情報を発信し、そして地元を中心に「就職に強い学園大」としての成果をあげることです。地域貢献として、経済産業省の「近代化産業遺産」に認定された熊本における産業革命の象徴といえる明治時代のレンガ棟を大学の正門横に移築復元した「産業資料館」や「くまもとアートポリス推進賞」を受賞した熊本の著名な芸術壁画を移設した十四号館(六〇周年記念会館)があります。
 このような豊かな教育環境の中で、学生はひとりひとりの夢を膨らませることができます。そして、学生の夢を実現することが私たちの大学経営者の夢であり、常に時代のニーズに応え、教育環境をつくることが私たちの使命です。

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