Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成19年8月 第2284号(8月8日)

“安全安心”課題を抽出 科学技術・学術審 安全・安心科技委

 文部科学省の科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会安全・安心科学技術委員会(主査:板生 清東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科教授)では、このたび、「安全・安心科学技術の重要研究開発課題について」をとりまとめ、国民の安全と安心を確保するために、取り組むべき研究開発課題を抽出した。
 現状では、技術的な解決策を見出しやすい「安全」の確保については様々な取り組みが進んでいるが、必ずしも技術的な「安全」が国民の「安心」感につながっていないことなどから、このたびは「安心」の確保に主眼が置かれた。
 同まとめによると、重要研究開発課題としては、まず、「社会現象計測研究」が挙げられる。人間の行動・心理を計測し、社会現象の予測・評価を行う科学的手法などの研究開発が重要である。
 次に、大地震など大規模自然災害が発生した場合のリスクを、災害時の人の行動予測などで評価・監視すると共に、被災時に住民に被災状況や避難経路などの情報提供を行う災害情報通信システムを開発する。また、社会インフラの健全性をモニターし、国民が安心して使用できる情報通信ネットワークを構築する。
 テロ・犯罪等については、危険物を検知し、被害を最小限にすると共に不審者の行動パターンを分析し、画像認識技術の開発などにより不審行動を取る人を特定することができるシステムを開発する。
 また、子ども・高齢者の行動を計測・分析し、異常時にデータを伝送したり、事故等のリスクを予測し、事故予防・提言のための方策を立案する。
 また、人間の生理・行動データをモニタリングして、疾病予防・健康増進のための健康モニタリングを行うサービスを提供する。

Page Top