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平成19年5月 第2274号(5月23日)

取り巻く諸情勢を協議  中国・四国支部春季総会

 日本私立大学協会の中国・四国支部(支部長=石田恒夫広島経済大学理事長・学長)は、去る五月十五日に広島市内の広島ガーデンパレスにおいて平成十九年度の春季総会を開催し、十八年度の事業報告、会計・監査報告を承認するとともに、十九年度の事業計画案と予算案を決定した。

 総会には、同支部所属の二九大学から二七大学三九名の代表者らが出席。はじめに石田支部長が「二〇〇七年問題がいよいよ現実のものとなり、私学の中でも二極化が顕著である。また、大学設置基準の一部改正が予定されており、FDの義務化や単位の計算方法の明確化など「質の確保」を期するための授業の在り方が議論されている。そのほか、政府の規制改革会議では、大学の「教育」に対しては学生数だけを基準にした私学助成、「研究」に対しては科学研究費補助金などの競争的研究資金を充てるなどの議論もある。私学経営上の課題が山積している今こそ、われわれは建学の精神を体した存在感のある大学づくりに切磋琢磨し、共存の道を探っていきたいと念願している」などと挨拶した。
 協議では、(1)平成十八年度の事業報告、会計報告・監査報告、(2)平成十九年度の事業計画案と予算案を、いずれも全会一致で提案どおり承認した。その結果、同支部独自の研修事業である分科会(事務局長相当者、就職部課長相当者、教務部課長相当者、学生生活指導部課長相当者、経理部課長相当者)は、梅光学院大学の当番のもと、来たる八月二十一日(火)〜二十二日(水)の二日間にわたり、下関市の下関グランドホテルで開催することになった。
 また、秋季総会は十一月二十日(火)に周南市のホテルサンルート徳山において、徳島大学の当番のもとで行う予定である。そのほか、中四国地区私立大学実態調査の実施、理事会、事務局長相当者連絡会議なども行われることが決まった。
 本部報告に移り、同協会本部から出席した小出秀文事務局長が、去る四月二十七日に開かれた第五七四回理事会で決定した平成十九年度事業計画推進に関わる実施要領の概要を説明するとともに、私立大学を取り巻く諸情勢とその対応について報告した。主な課題は、(1)平成二十年度私立大学関係政府予算に関する教育基本法を踏まえた私学助成、科学技術創造立国の推進に向けた支援のほか、高等教育の多様な発展を支える国費負担の対GDP比〇・五%から一・〇%へなど、(2)学校法人関係税制、(3)各種審議会等の審議動向(@規制改革会議からの高等教育・研究機能の質の向上、A経済財政諮問会議からの国大入試日の分散・九月入学・入試での文系と理系の区分の撤廃など、B教育再生会議からの卒業認定の厳格化等の学部教育の質の保証、C中央教育審議会からの学士課程教育の在り方など)などであり、特に審議会等の動向には十分に注意を払い、適宜適切に対応していくと述べた。
 休憩の後、「大学改革―学長と教育の間―」と題して広島修道大学の市川太一教授が講演した。
 同氏は、同大学の学長職にあった一九九六年四月から二〇〇二年三月までの六年間における大学改革の詳細を、マネジメント、教育(学習)、コミュニティとしての大学・大学風土の三点について振り返った。マネジメントでは財政・将来計画、施設設備、組織、人事、教育研究・国際交流・FD、学生支援、入試などの項目について、教育(学習)では学生との意識のギャップをなくすための授業方法の改善、自己啓発の授業内容、学習意欲をもたせる方法などについて、さらに、コミュニティとしての大学・大学の風土では、競争と効率の時代における大学の在り方をどのような手順で考えればよいかなど、今後の全入時代の大学改革にとって示唆に富んだ講演となった。
 終了後には、教育懇談会が催され、加盟校の連携協力の絆を深める有意義なひとときとなった。

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