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平成19年5月 第2272号(5月9日)

19年度科研費を配分(速報値) 新規応募の採択率22.5%
  新規応募分の間接経費約3倍に

 文部科学省は、このほど「平成十九年度科学研究費補助金」(以下、科研費)の配分について、機関別件数及び配分額等を公表した。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで全分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究」を対象とする「競争的研究資金」である。平成十九年度は一九一三億円(対前年度一八億円、〇・九%増)の予算を計上しており、新規採択分と継続分を合わせて応募研究課題一一万九三六九件の中から四万九三二六件が採択された。(私立大学五〇八校の配分額は2面に掲載)

 平成十九年度の科研費については、現在審査中の特別推進研究の新規採択課題等を除いて、四月二十六日までに取りまとめられたもので、今回交付内定を行った研究課題は、交付申請書の提出を受け、平成十九年五月下旬から六月中旬にかけて交付決定を行う。また特別推進研究などは九月頃に公表予定である。

新規採択分
 応募九万二二一件から二万二五九件が採択(採択率二二・五%)され、その配分総額は五八四億七〇三四万円(間接経費として外数で一二六億五七四五万円)となっている。平成十九年度から基盤研究(B)、(C)にも三〇%の間接経費が外数として導入されたことにより間接経費全体では、対前年の約三倍となっている。

新規採択+継続分
 応募一一万九三六九件から四万九三二六件が採択(同四一・三%)され、その配分総額は一四七八億二三四三万円(間接経費として外数で二八六億一二〇一万円)となっている。
 配分を受けるのは、一一三四機関で、国立大学八七校、公立大学七四校、私立大学五〇八校等のほか、研究機関等二二五機関、企業等二三社となっている。
 次に、「新規採択+継続分」についての研究項目ごとの配分状況は次のとおり。
 ▽特定領域研究(我が国の学術研究分野の水準向上・強化につながる研究領域、地球規模での取り組みが必要な研究領域、社会的要請の特に強い研究領域を特定して機動的かつ効果的に研究の推進を図るもの)=七〇四九件の応募から三六九二件が採択(同五二・四%)され二八九億八五四〇万円を配分。
 ▽基盤研究(S)(一人または少人数で行う独創的・先駆的な研究)=六九八件の応募から三四四件が採択(同四九・三%)され五八億一三七〇万円(間接経費として外数で一七億四四一一万円)を配分。
 ▽基盤研究(A)(一人または複数研究者が共同で行う独創的・先駆的な研究で申請総額により(A)、(B)、(C)に区分)=三五五二件の応募から一七三一件が採択(同四八・七%)され一六七億八二三〇万円(間接経費として外数で五〇億三四六九万円)を配分。
 ▽基盤研究(B)=一万六三三〇件の応募から七五九八件が採択(同四六・五%)され三四〇億一一〇〇万円(間接経費として外数で一〇二億三三〇万円)を配分。
 ▽基盤研究(C)=四万二三六三件の応募から一万七一九六件が採択(同四〇・六%)され二二〇億九四四八万円(間接経費として外数で六六億二八三四万円)を配分。
 ▽若手研究(A)(三七歳以下の研究者が一人で行う研究で申請総額により(A)、(B)に区分)=二〇〇〇件の応募から八二九件が採択(同四一・五%)され四八億三〇七〇万円(間接経費として外数で一四億四九二一万円)を配分。
 ▽若手研究(B)=二万四五一八件の応募から一万一八〇八件が採択(同四八・二%)され一四七億一六一七万円を配分。
 ▽萌芽研究(意外性のある着想に基づく芽生え期の研究)=一万七〇五九件の応募から三八七九件が採択(同二二・七%)され五五億六〇六万円を配分。
 そのほか、学術創成研究費(科研費による研究のうち特に重要な課題を選定)は、一六四件の応募から九七件を採択(同五九・一%)され七三億一九一〇万円(間接経費として外数で二一億九五七三万円)等が配分された。

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