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平成19年4月 第2270号(4月18日)

国大交付金総額1兆2044億円 前年度比1.4%減

 平成十九年度の国立大学法人の運営費交付金が、このほど決定した。各大学への運営費交付金は、基本的には人件費や一般管理費、学部・大学院等の教育研究経費、付属病院の一般診療経費等の事業経費から、入学金・授業料及び附属病院などからの収入を差し引いて決まる。また、大学運営の効率化として人件費の一部を除き年間一%ずつ削減する「効率化係数」や附属病院の二%収入増を前提に「経営改善係数」というルールもある。交付状況は次のとおりである。

 平成十九年度の九一国立大学法人の運営費交付金総額は一兆二〇四四億円で、十八年度より一七一億円(約一・四%)の減額となった。しかし一方で、教育面での改革や新たな研究分野・領域への挑戦などに対する「特別教育研究経費」等の別途支援や、その他、退職手当の交付などを合わせ、結果的に増額となった大学もあった。
 運営費交付金のベスト五は、@東京大学八九九億四三〇〇万円(対前年度比三・一%減)、A京都大学六〇八億七四〇〇万円(同二・二%減)、B東北大学五一八億九九〇〇万円(同二・九%減)、C大阪大学五〇五億三八〇〇万円(同〇・五%増)、D九州大学四六九億六三〇〇万円(同六・九%減)などとなっており、上位一〇大学の交付総額は全体の四二・九%を占めている。
 なお、五割以上の大学が減額される中、福島大学(同八・四%増)、東京医科歯科大学(同七・五%増)、千葉大学(同七・四%増)など増額が目立つところもある。
 運営費交付金が削減される中、自己収入の三五・九%を占める入学検定料や授業料は国立大にとって大きな比率であり、平成十八年度の入学定員充足率(入学者数÷入学定員×一〇〇)は一〇七・九%に達し、私大の一〇七・三%を初めて上回った。このことから、文科省は「収入増を目的とするような定員充足率のアップ」に対して、運営費交付金の削減も視野に入れた検討を行う予定である。

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